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ダヴィンチコード イン ジャパン

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 木村は早速竹内古文書がある616号セクション25番30の場所に行く。そこでダンボー
ルを開けて中を見始めた。ほとんど日本語である。

 木村は、「日本語でよかった。」と小声で囁きながら、資料を読み始めた。そこにあった竹内
古文書は毛筆で、1928年3月29日に竹内家の養子に入った竹内巨麿によって公開された
とあった。



 神武天皇から始まる日本の歴史と、「旧約聖書」などの西洋の歴史を関連付けて説明した文
章だと書いてある。

 木村は興味を持って更に読み進んだ。

 世界にはいついろひと(五色人)がいる。

 黄人(きびと、日本人などのアジア人)

 赤人(あかひと、ネイティブアメリカンやユダヤ人など)

 黒人(くろひと、黒人やインド人など)

 白人(しろひと、ヨーロッパ人など)

 青人(あおひと、肌の青い人種で現在はほとんどいない)

 木村は興味ある見解だと思った。

 更に読み進むと、キリストの墓の話が出てきた。

 1935年8月初めに、竹内巨麿が青森県戸来村で発見した十来塚がキリストの墓である。

ゴルゴダの丘で処刑されたキリストは3日後に復活し、「イスキリス・クリスマス。」と名のり
青森に滞在したと書いてあった。そしてこの竹内古文書は東京大空襲で焼失したと思われてい
るが、日本の国立公文書館に保管されているとあった。

 木村はさすがKGBの情報収集能力は凄いと思った。

 木村はナターシャの方を見る。必死に何かを調べているようだった。

 木村はナターシャに、「そちらは進んでいますか。」と声をかけると、



 ナターシャは、「フリーメイソンというのは、とんでもない連中だというとこがよく分かっ
た。」と言った。

 そのときレフチェンコより電話が入る。

 レフチェンコが、「9階に昼食を用意しております。上がって来てください。」と言った。

 木村はナターシャに声をかけ、二人で昼食に行くことにした。

 9階のレストランに行くと、バイキング形式の食事が用意してあった。レフチェンコはそこ
には居らず、中年の女性が案内してくれた。木村はサラダ・サラミ・ボルシチを取ってテーブ
ルについた。

 ナターシャは、セリョオッカという魚の酢漬けとサラダ・ボルシチを取ってテーブルに座っ
た。

 木村が、「その魚みたいなものは何ですか。」と尋ねると、

 ナターシャは、「セリョオッカという魚の酢漬けです。少し食べて見ますか。」と言った。

 木村がナターシャの顔を見ながら、「はい、食べて見ます。」と言うと、

 ナターシャは、自分の皿にあるセリョオッカを木村の皿に取り分けてくれた。

 木村は、「スパシーバ(ありがとう)。」と言って、その魚の酢漬けを食べた。

 木村は、「これは美味しい、僕はこれのファンになりました。」と言って、自分の皿を持って、
もう一度セリョオッカを取りにいった。木村がテーブルに戻ると、さっきの中年の女性がコー
ヒーを持ってきてくれた。木村はそのコーヒーを飲みながらナターシャに、



 午後からダヴィンチの資料を調べたい。ロシア語で書いてあるので手伝っていただけないで
しょうか。」と言うと、

 ナターシャは、「分かりました、お手伝いいたします。」と答えた。

 二人は食事を終えると再び地下の資料室に行く。

 木村は616号セクション40番1の棚の前に行った。ダンボールを開けて中を見ると、ロ
シア語・英語・イタリア語の資料がごちゃごちゃに混じっている。

 木村は、「参ったな。」と小声で言うと、

 ナターシャが、「私はイタリア語が少し分かります。」と言った。

 木村は、「それは助かる。」と言いながら、資料のダンボールの中を調べた。

 二人でその資料を見ているとナターシャが、「ダヴィンチはフリーメイソンのメンバーだっ
たのよ。」と資料を見ながら言った。続けて、「フリーメイソンは十字軍がエルサレムを占領し
たときに集めた資料から、キリストが日本に行ったことを知ったのよ。そしてそれを今まで隠
してきたと書いてある。」と言った。

 木村が、「本当か。」とナターシャに聞くと、

 ナターシャはロシア語で書かれた資料を指差し、「ここに書いてある。」と言った。

 木村は、「だからダヴィンチは、キリストが青森に行ったことを知っていたのだ。」とナター
シャに言った。続けて、「モナリザの頭の右上に青森県にある下北半島の形がある。この前エ
ルミタージュで見たリッタの聖母の絵にも同じ形がある。」と言うと、ナターシャは資料を見



ながら、「ここにそのことが書いてある。」と言った。

 ナターシャは続けて、「エルミタージュにリッタの聖母とブノワの聖母という2つの絵があ
る。ブノワの聖母を裏返してリッタの聖母の上に置くとぴったりはまる。それが青森の地図を
同じなのよ。」と言った。

 

                     ブノワの聖母

 

 

 





 

       ブノワの聖母の裏返し             リッタの聖母   



 木村はしばらく考えて資料にあるリッタの聖母の絵を見ながら、「キリストの顔がある場所
は青森市だ、三内丸山と時代が一致する。キリストは三内丸山に来たんだ。」と言った。

 木村は、「これは大発見だ。」と言ってかなり興奮した。続けて、「モナリザのことは何か書
いてありますか。」と聞くと、

 ナターシャは、「今のところまだ見付けていません。」と答えた。

 木村は、「ダヴィンチは自分の絵にキリストが青森に行ったことを描いて、後世の人間に託
したのだ。」と言った。

 ナターシャも、「私もそう思います。ダヴィンチはやはり偉大な人ですね。」と言った。

 木村は、「フリーメイソンの方はどうでしたか。」と聞くと、

 ナターシャは、「ユーリーの言った通りのひどい連中です。最近も石油取引のために、アラ
ブの富豪の暗殺を図ったりしているようです。」と答えた。

 木村が、「なぜ、ダヴィンチがそんな会のメンバーなのだろうか。」と聞くと、 

 ナターシャは、「私にもよく分かりませんが、ダヴィンチの時代には今ほど悪いことをして
なかったのじゃないかしら。」と答えた。

 木村もなんとなくその説明に納得し、「うん、うん。」とうなずいていた。

 ここにいると時間の経過がよく分からなくなる。木村が時計を見ると夜8時になっていた。

 そこにレフチェンコから電話は入る。

 ナターシャが電話を取ると、



 レフチェンコは、「食事の用意ができたので9階に来て欲しい。」と言った。

 ナターシャは、「ダー(分かりました)。」と言って電話を切り、「木村さん、食事の用意がで
きたので9階へ行きましょう。」と言った。

 木村も同意し二人で9階のレストランに向かった。

 レストランに着くとレフチェンコが待っていた。レフチェンコが、「今日は鮨を用意しました。
ナターシャさん食べられますか。」と言った。

 ナターシャは、「もちろん、私は鮨が大好きです。」と答えた。