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革命

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 ビオレッタは革命に参加するつもりなど微塵もなかった。ただ少しばかり気になっていたのは、その革命とやらに参加する人物達、それそのものだった。もし――万が一にも革命とやらが本当に起きて、そしてそれが成功するなどという事にでもなれば、そのサロンに現れる人物は、次の時代の自分の客であると考えたからだ。≪そんな事は起こりうるはずはない。けれど可能性はゼロではない。私はもうこの方法でしか生きてはいけないのだし、参加者達を見ておくだけでも価値があるのかもしれない≫ビオレッタはそう考えると、もう一度ドリーヌへと向き直った。

「私は革命に参加するつもりはないわ」
「そんな……!」

 ビオレッタから放たれたその言葉に、瞬時にドリーヌの顔が青ざめる。その様子を見るとビオレッタは、彼女を安心させる為に出来るだけ優しく微笑んだ。

「まだ、今のところは――よ。明日、私もテオドールの屋敷には行くわ。自分の目で見ておきたいもの」
「ビオレッタ……! ああ!」

 ビオレッタも共にテオドールの屋敷へと向かうと聞くと、ドリーヌは安堵の余り再び彼女に抱きついた。腕の中で涙を流しながら喜ぶ親友の姿に、ビオレッタはなにか言い知れぬ不安を覚えていた―――――
作品名:革命 作家名:有馬音文