革命
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いつもの通りに行為は終わった。テオドールは特に変わった性癖を持っているわけでもなく、その内容は至ってノーマルな物だから、ビオレッタにとっては吹きすさぶ風に目を細める程度の心持ちで全てを終わらせる事が出来た。そして全てが終われば、愛しいこの屋敷で少しばかり自由な時間を過ごせるのだ。
「ビオレッタ」
事後の少し乾いた声で、テオドールは静かに彼女の名前を読んだ。
「なんですの?」
ビオレッタがそのしなやかな肢体を見せつけながら、そっと聞き返すとテオドールは彼女の腕を取り、自分の方へと引き寄せた。≪あら、もう一度?≫ビオレッタがやや面倒そうに顔をしかめると、テオドールは低い声で囁くようにこう言った。
「革命に加わらないか?」