「 俺等の青春は LEGND になった 」 1
まぁアイツの事は後でなんとかしよう……………クラスの連中を見ていたら、明らかに浮いている奴がいた。
いや正確には、奴等といった方が正しい。
「ほら見ろ、いたじゃないか。」
それはいたから言えるセリフであって、決してお前がスゴイ訳ではない。
そしてなんだそのドヤ顔は。そして声の大きさを考えろ、みんな変な奴を見る目になってるぞ…………実際変な奴か。
「おっ、おい。」
浪は先生を邪魔だとばかりに押して、彼らがいる窓側の後ろとその列の前に近づいていっ
た。
ていうか先生、弱すぎだろうが。
「お前等、俺等と一緒に世界を変えるぞ。」
「「…………………」」
まぁ~~~予想道理な反応だな。
彼らは黙ったまま、ついでにこちらを一度も見ない。
ここでもし、コイツらが素直にわかったなんて言うわけない。
言ったら、それはそれでいいがつまらない。
「世界を変えるぞ。」
「「……………」」
またしても無視する彼らは、無表情だった。
今では想像できない姿だ。
「おい……………なぁ…………コラ………」
浪の身体が震えてきた。俺は本当に、本当に面白い奴に出会ったらしい。
俺はコイツが約一分後にやる行動をみて、思った事だ。
「お前は普通じゃないよ。」
「それは褒めてるのか、貶してるのか、バカにしているのか?」
少なくとも褒めてないよバカが。
俺と浪、そしてあの二人は校長室にいる。
原因はすべて、コイツとこの二人のせいだ。
最悪だな、マジで。
高校初日にして、校長の野郎の部屋に入るとは。
正直かなり驚いてるぜ。
「なぁお前等、俺等と一緒に変えようぜ。」
浪は再び聞いた、しかも校長の話てる最中に。
時と場所を弁えろしバカ。
「こんな普通な世界、嫌なんだろう?」
この世界に不満を持ってるからわかる。
同じ者どうしだから、同じ考えだから。
でも場所を弁えろ。
「本当に、変えられるのか?」
初めてコイツの声を聞いた。
「この世界は変わる、いや………変えるんだよ、俺等が。」
「信じるぜ、お前の言うこと。」
信じない方がいいと思うのは俺だけだ。
「おう、任せてろ。俺と大地、そしてお前等二人でこの世界を変えるぞ。」
俺を含めて四人、四人もの普通ではない者がこの時代、この場所に集まった。
そして今この瞬間、コイツ等は…………いや俺等は誓いあった。
この普通な世界を変えるっていう、誓いを。硬く、決して破られない誓いをね。
「ふんっ、貴様等如き小さい人間が何をできるというのだ。」
この貫禄のある顔のオッサンが校長がしゃっべった。俺等に向かって。
校長は偉そうに椅子に座りながら、鼻で笑った。
実際偉いがなんかムカつくのは俺だけなのか?
そう思い俺は横を見た。
横にはアイツ等がい……………どうやら本当に、俺等は普通じゃないみたいだ。三人とも
人を殺す目になっていた。
「何をだとクソじじい。」
一人目がキレました。
「貴様等のようなケツの青いガキに何ができるというのだ?」
もっともなご意見です校長。
「少なくとも、テメェのようなジジイよりはましだバカ。」
そして二人目が………終わった。
「ジジイか、もう私もそんな歳か。」
意味ありげに言う校長の顔は、何故だか笑っていた。
俺等の顔になにか付いてるか、いやそれはないか。
「俺たちはアンタのように普通に歳はとらない。」
また一人、散って行った。
「世界を変えるなどバカげた考えは捨てろ、普通に生きろ、普通に勉強しろ、普通に恋愛をしろ。」
「……………俺等は、絶対に世界を変えてみせる。」
そして最後の砦が………崩れた。
「ふんっ、ガキ共が。私たちの下で普通に従っていればいいものを。」
「でも………私は好きかな、あぁいう子たち。」
「アイツ等はブラックリストだ、お前には悪影響だ。」
「えぇ~~~言ったじゃないおじい様、好きな人は私が決めていいって。」
「今回は仕方ないんだ、彼らは危険すぎる。」
「……………おじい様、私の事キライなのかな。」
「あぁ~~のジジイ、いつか殺してやる。」
またなんの冗談を。しかしまぁ~、一回くらいは殴りたいな。俺のささやかな願いだ。
「あぁそうそう。」
魔の校長室から出た俺等はゆっくりと、あの山の小屋に向かっていた。
コイツ、本当にあの小屋を秘密基地にするんだな。
「俺の名前、言ってなかったな。俺は山木 英介だ。」
そういえば、聞いてなかったな。
そうかコイツは英介っていうのか、金髪にピアス、ヤバいくらい普通じゃないな。
「俺は舞斗 剣、俺等は幼稚園からのなかだ。」
茶色く染めたコイツが剣か。
名前が普通じゃないな。
そうか、だからコイツ等なかがいいのか。
幼稚園から…………仲間がいたのか。うらやまし限りだな。
「これからよろしくな。」
「右に同じく。」
あらためて俺等は、この世界を変えると誓いあった。
こうしてこの普通じゃない連中の青春は始まった。
俺等は若干、いやかなり遅く歩いていた。
理由は特にないがゆっくり歩いてた。
「でっ、なんだよここ?」
浪が行くとこがあると言ってきた場所は、廃車置き場と今は使われていない材木工場だった。
もしかしてコイツ、俺が一番想像して嫌だと思う事をしようとしているな。
「ここにある宝(ゴミ)を使って、あの小屋を修理するぜ。」
この辺り一面ある、壊れた車とほこりに汚れた木で。
まぁ確かに、金のあてがない俺等にとっては宝とも言えるか。
でも一つ疑問があるんですが。
「なぁ、どうやって運ぶんだよ?」
俺は秘密基地を指さして言った。
コイツ等はあの小屋を知らないからだ。
そしてそれにつられて二人は小屋を見た。
「えっ、あの小屋に」
「俺等は運ぶのかよ。」
普通なら機械でグワァーーーとやるんだろうが、俺等はあいにく普通ではない…………だ
から。
「ほれ、あそこに俺等の仲間がいるぜ。」
「これか?これで運べってか?」
浪が用意した、俺等の最高な友達は。
長所は400キロまで乗っけられて、短所は無口な事です。
そう……………それは…………リアカー君でした。
「最悪だ~~~~。」
入学式は午前中に終わった。
普通なら、普通であればすぐに家に帰るのだが。
今回は違うみたいだ。
「まずは1時間、使えそうな物を探して。そのあと使えるやつを秘密基地に運ぶぞ。」
この野郎、後で殴ってやる。
だいたい使える物ってなんだし?
「あの小屋って、そんなにボロイのか。ていうか使っていいのかよ。」
こんなバカばかりの人間の中でも、まともな奴がいるんだな。
英介は壊れた車の部品を持って、俺に聞いてきた。
ボロイって言われればボロイが、決して使えない訳ではない。
「使えるよ、一応ね。」
そういえばあの小屋って、誰のだろう?
俺はそんな事を思いながら、使えそうな物を探した。
小屋を直す為には、まずは木材かな?
……………俺は使えそうな物を探してる時に気づいた。
作品名:「 俺等の青春は LEGND になった 」 1 作家名:東からの訪問者