「 俺等の青春は LEGND になった 」 1
浪はこちらを不思議そうに見ていた。
「何でって言われても………ねぇ。」
いや、ねぇって言われても。
困るんだけど。
「だってさぁ~、あの学校で何かするって言ってもどうせ教師がとめるだろう。」
それゃあそうだろうよ。
どこの世界に「秘密基地が作りたいでぇ~す。」って言って、「おう、いいぜ~~」なんて言う先生がいるんだよ。
ていうか秘密基地ってなんだよ?
「ここは今から俺等の秘密基地だぁ~~。」
浪は小屋の床を強く踏みしめた。
しかもそのせいで、小屋の床が抜けました。
床と言っても、ほとんどないんだが。
「で、具体的にいうとどういう意味だ。」
「えぇ、具体的に?」
浪は床にはまった足を抜きながら、俺の質問に答えてくれた。
結構深くはまったらしい、抜くのに手こずってる。
「このクサッた世界を変える為の……………作戦会議したり、色々したりする基地だ。」
そうかそうなのか、つまりコイツはバカなんだな。
「う~~~~ん、やはりこの小屋はちょっと古いな。」
やっと床から抜け出した浪は、何もなかったみたいな顔で言った。
「それに人数も足りないな。」
人数って、ここら辺に俺等と同じ考えを持ってる奴は、まずいないと思うぜ。俺等が出会ったのは、ほぼ奇跡なのだから。
「まずは同士を探すぞ、大地。」
浪は小屋どび出した。
本当はかっこよく出るはずだったのだろうな、しかしこの小屋は相当古いらしいな。
「グワッ!!!!」
浪は床にはまり、倒れこんだ。
★
俺等は学校に帰ってきた。
下
山する時は以外に速かった。
しかしまぁ、自分たちが何組かを分からないのは、難儀なことだな。
やっぱり入学式くらいは出るべきだったな。
入学式の後にクラス分けのプリントを配るとは、予想していなかった。
校門の前に立つ俺等は自分のクラスが何組かで悩んでいた。
「クラスは全部で四クラスだ。つまり四分の一だ。」
俺の横で腕を組みながら、楽しそうに言う浪。
「お前は何組だと思う?」
知らねぇよ。なんて言えるわけもなく、俺は自分の感を信じた。
「じゃあ、一組で。」
「いや違うな。」
なんの根拠もなく浪は即答した。
俺はただ中学の時のクラスを言ったまでなのだが。
コイツは一体なにを思ったのか?
「じゃあ何組だと思うんだよ。」
「俺等は同じクラスになる。」
またコイツは何の根拠もなく言った浪は、本当に楽しそうだった。
こんな奴を楽しませるくらいなら、麻奈美を楽しませた方が幾分いい。
「それにそのクラスに、俺等の同士がいる。」
同士ねぇ~~~。
本当に俺等の同士なら、同じように学校をサボるんじゃないか?
「で、何組なんだよ?」
「……………………たぶん、四組だ!!!…………だと思う?」
思うって、おいおい。
浪は歩き出した。
小さな一歩だが、俺等にとっては大きな一歩だ。
まぁ実際、そんな偉大な一歩でもなかったが、俺はそう見えた。
「行けば分かるって。」
俺等は学校に入り、現在一階に来ていた。
この学校はまぁまぁのデカさだ。
この辺りに学校がないから、ほとんどの子供がここに来る。
だから必然的にこの学校がデカくなる。
「なぁ、先生に聞いたらいいんじゃないか?」
十分くらい探してる。
「お前はバカかよ、そんな事したら怒られるぞ。」
怒られる原因はお前が作ったんだよバカ。
ていうかこんなに探してるのに、一つもクラスがないってどうゆうことだよ。
コイツは方向音痴だと、俺は気づいた。
しかしこの時俺は、自分もかなりの方向音痴だとは思ってはいなかった。
「じゃあ、どうすんだよ?」
「…………」
「そこの君たち、何してんのかな?」
俺等の後ろから声がした。
俺は思った、あぁ~~もう終わったな。
「あっ、もしかして例の新入生かな?」
例のって、もしかしてもう俺等って有名人なんですか?
俺等の後ろにいたのは、小柄の女性だった。
やばいぞ、もし退学になんてなったら。
確実にあの二人に殺される。
「アンタ誰だよ、俺等になんかようか?」
俺はつくづく思った、コイツは普通じゃない。
「おぉ~~~なんて反抗的な態度なんだろう、でも私……そういう子も好きかな。」
小柄な女性の胸には金色の星マークでⅢと書かれていたバッチが付いていた。
Ⅲとはつまり、三年生を意味している。この人は三年なのかよ。
…………星ってどうゆう意味だっけ?
「アンタ、四組って知ってるか。」
さっきまで聞かないとか言ってたくせに、なんなだよコイツ。
「四組かぁ~~~、確かそれって三階だよ。」
女性は指でスリーを表した。
「そうか、だってよ大地。」
なんで俺にフルんだよ。お前が一人で対処しろよ。
「なら早く行くぞ。」
とにかくここから逃げなくては、このままではコイツが何をするかわからない。
「おぉ。」
俺は走った、そうすればコイツもつられて走るだろう。
「いいのですか会長、彼らはブラックリストですよ?」
「んっ、そうだったかな?」
「またまたご冗談を。」
「にぁははは、会長さんは天然さんだ。」
「ん~~~私天然かなぁ~~。」
「はい、会長は天然ですよ。」
「そうかな~~。ていうかもう出会ったんだねぇ~、あの二人。これも運命なのかな?」
「はい、でもまさか入学式を出ないとは。」
「にゃははは、おもしろなぁ~~。」
「ほんとだね。でも本当におもしろいのはこれからなのかな。」
「ここだな。」
俺等は四組に着いた、三階は一年と資料室らしい。
まぁ着いたまではいい、でも重要なのはそのあとだ。
「なぁ。」
浪は小声で尋ねてきた。
浪と俺は今、教室のドアに隠れている。
「どうやって入るんだ?」
そうなのだ。
「わ、わかるかよ。」
俺等は一体、どのタイミングで入ればいいのだろうか、まったくわかりません。
クラスの人数はおそらく、だいたい三十人くらいだろう。
この学校の教室には何故だか、ドアに窓がない。
だから中の様子がわからない。
ここが俺等のクラスとは限らない。
もし違うクラスなのに入ったら、これほど気まずい事はない。
「入ってみるか?」
「いやでも。」
俺はコイツの事を、信じていいのか?
「よし、行くぞ!!!」
今この時俺等は、生と死の間を走ってた。
ガラガラ~~~
俺等はドアを開き、教室に入った。
入った瞬間感じた、コイツらは普通だ。普通の反応に、普通の対応だ。
何時の間にか俺は、この普通に染まりかけてみたいだ。
この普通に慣れてきてしまった。
先生は不思議な顔をしていた。
………………辺りを見渡すと、麻奈美がいた。
そして二つだけ席が空いていた。よかった、本当によかった。
コイツ(麻奈美)と俺はかなりの付き合いだ、ほとんどの事ならわかる。
コイツは今、確実に怒ってる。
アイコンタクトなどは女子だけができる能力だ、でも今だけでいい。
俺にその能力を貸してくれ。
理由はわかるんだが、そんな目で見ないでくれ。
作品名:「 俺等の青春は LEGND になった 」 1 作家名:東からの訪問者