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顔 下巻

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大川は、極めて事務的に神戸の二之宮の事件と
あいりん地区での一連の殺人遺体損壊事件について
説明した。

なんだよ、ソレ、オレ、オレがさ。全部やったってぇの?
勘弁してくれよ。
だいたい、そもそもさ。何故オレ、オレがさ。
取り調べられるのさ?

小山がボールペンを一之瀬の額に投げつけた。
「逆上せあがんじゃねぇぞ。」
午前中はそれが最後だった。

一之瀬は独房で、大川は食堂で昼飯を食べたが
小山は、駅前のマクドナルドで食事を取った。

大川は屋上で、冬の陽に当たっていた。
影を避け陽に当たれば、暖を取ることが出来た。
しかし冬の影は、すぐに長くなった。
午後には木枯らしが吹くとの天気予報は・・当たっていたようだ。
すぐに寒くなった。

気乗りのしない、延長戦・・しかも終わりがまったく見えない。
打たれても撃たれても、リリーフは望めない。
勝ち投手なんて雲の上。
敗戦処理投手として。
そういやぁ、ベイスターズ、今年もダメだったなぁ。

作品名:顔 下巻 作家名:平岩隆