顔 下巻
北にでも行けばオレは。オレはさ。
誰にでも変身できる究極の人間兵器だぜ。
そう思ったんだ。博多の中州で抱いた朝鮮女がよかったこともあってね。
それには、パスポートが必要だった。
偽造パスポートを手配するという胡散臭いオヤジもいたが・・。
ま、いっか。
だってさ。本物のパスポートを持っているヤツになればいいんじゃん。
旅行屋の前で張ってたら、鴨が来た。
韓国旅行に行くという男だ。
飲み屋で半島女の体の話で盛り上がって泥酔させて。
パスポートを盗んだのさ。
大川は、小山に一之瀬の所持していたパスポートを確認した。
「コレか?三島欣治って書いてある。」
まさに、いま大川の目の前にいる男の写真である。
「で、三島は・・どうした?」
一之瀬・・・三島の顔をした一之瀬は下品に笑い出した。
コイツはさ。変態野郎だぜ、半島女のアナルにしか興味が無いんだ。
おっさん、アナルセックスしたことあるかい?
ねぇ、おねえさん、ケツの穴にぶちこまれたことあるかい?
三島に会ったのは、そのときだけだ。アトは知らん。
相変わらず性的なジョークを続ける一之瀬に嫌悪感をいだきながら
小山が切り出した。
「博多の中州の雑居ビルで顔を潰された男の死体が見つかったわ。
DNA鑑定の結果、三島欣治、44 歳。あんたが捕まる二日前にね。」