小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
アリス・スターズ
アリス・スターズ
novelistID. 204
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

妊婦アリス・スターズの話

INDEX|37ページ/40ページ|

次のページ前のページ
 

 しばらくすると、マミールームに呼ばれる。
 やはりスプリングウィメンズクリニックの案内冊子を持った助産師の正面に座る。今日はこの冊子を中心に話をするようだ。
「今日は妊娠中気をつける症状についてお話しますね。」
 まずはマイナートラブルといわれる症状から。静脈瘤やむくみ、腰痛、アリスが現在進行形で悩まされている便秘などだ。むくみに関しては、アリスは着圧のハイソックスを愛用しているため、まだましだろう。
 その次に説明を受けたのが、生命に関わる重大な症状。妊娠高血圧症候群、胎盤早期剥離、切迫早産の3つだ。
 妊娠高血圧症候群は、アリスが幼い頃は妊娠中毒症といわれていたものだ。今のところアリスは、血圧の上が100を超えることすら稀なので心配はない。
「ずっとお腹が痛いようなことがあったり、出血があったりしたらすぐ電話してくださいね。」
 波のない断続的な腹痛は、胎盤早期剥離の典型的な症状らしい。もしこうなれば、胎児に酸素がいかなくなって危ないし、母体も出血多量で危険だから緊急帝王切開になる、とmixiのコミュニティーで見たことがある。前兆がないため、怖い症状だ。
 切迫早産は、頻繁なお腹の張りが前兆になる。絶対安静を言い渡され、重度なら入院もありえるらしい。
 普通ならこんな話をされると不安でたまらないのだろうが、アリスは今までに体験談などを読んできたため、そこまでの不安はない。それに、シンシアのことだからそんな苦労をかけさせることはないだろう、と根拠のない意味不明な自信があった。

 マミールームを出る。
 気が付けば妊娠26週。次から診察も2週間に1回と間隔が狭くなる。
(シンシアに会えるまであと14週――3ヶ月くらいか。不妊治療をしてる時は、3ヶ月って長かったけどなぁ。)
 きっと妊娠中の3ヶ月はあっという間だろう。思いながら、クロエの待つデミ子へ足を進めた。