小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
アリス・スターズ
アリス・スターズ
novelistID. 204
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

妊婦アリス・スターズの話

INDEX|36ページ/40ページ|

次のページ前のページ
 

2011年3月5日


 今日の駐車場はひどく空いている。いつもなら隣の薬局の駐車場を使おうかと思うほど車が停まっているのだが、この日は空いているところが多く、すんなりデミ子を停めることができた。
 待合室も人が少ない。もしかしたら今日は早く呼ばれるかも、と思いながらいつものセットを受付に渡し、クロエと隣り合って座る。
 予想通り、そんなに時間が経たないうちに体重測定に呼ばれた。DVDを渡し、体重計に乗ると示された数字は56.7kg。
(前回から700gか。まぁまぁかな。)
 その後血圧を測る。上が83、下が56。いつも通りの低さだ。血圧が高いと問題だが、低いと別の問題はないのだろうか、とアリスは疑問に思うが、何も言われないあたり問題ないのだろう。

 一度待合室に戻るが、10分もしないうちに診察室に呼ばれた。
 腹部を出してベッドに横になる。子宮底長と腹囲を測られた後、ゼリーの乗ったプローブを押し当てられた。まず画面に映ったのはシンシアの足。左画面に一時停止し、右画面にはシンシアの腹部が映された。先に測った胴の面積は30.83c?、足は4.57cm。足は26週ちょうどと妥当な成長をみせているが、胴は24週2日相当と、少し痩せ気味なのかもしれない。次に左画面に頭、右画面にシンシアの横顔。頭の大きさは6.77cm、26週3日相当で、少し頭が大きめのようだ。3つの数値からはじき出された予測体重は890g。
 その後、3Dエコー用のプローブに持ち替えたアイリーン先生が、画面を少しいじった後シンシアの心臓部分を映す。4つに分かれた心臓の小部屋、鼓動にあわせて心臓の弁が開いたり閉じたりしている。しばらくその画面を観察した後、納得したようにそのまま3Dエコーに切り替えられた。説明はなかったが、心臓に異常がないかのチェックだったのだろう、とアリスは思う。
 切り替える直前に大きなあくびをしたシンシアは、エコー画面の中でぼんやりと映っている。子宮の壁に顔を近付けすぎていると、はっきりと映らないらしい。
 エコーが終了し、1枚の紙を渡される。
「次は2週間後に来てくださいね。その時にグルコースチャレンジテストというものをするので、予約の10分前に来てください。」
 その紙にはグルコースチャレンジテスト、いわゆる妊娠糖尿病検査の説明が書かれていた。規定量のブドウ糖が含まれた炭酸飲料を飲み、その1時間後に採血をするらしい。受付で領収書を受け取る――支払いはないが――時に、ついでに予約しておくことにした。
 助産師の話がこの後あるらしいので、クロエをデミ子に戻らせて引き続き呼ばれるのを待った。