小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
アリス・スターズ
アリス・スターズ
novelistID. 204
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

妊婦アリス・スターズの話

INDEX|27ページ/40ページ|

次のページ前のページ
 

2011年1月8日


 土曜日。
 スプリングウィメンズクリニックは、午前中なら土曜日も外来を行っている。無事腹部エコーに切り替わったことだし、これからはクロエもエコーを見ることが出来るため、これからは一緒に病院に行くことのできる土曜日に受診することにした。
 病院に着いたら、まずは尿検査。しばらくして呼ばれると、DVDを渡して体重と血圧の測定。4回目にして、この流れにも慣れてきたようだ。体重は53.8kg。つわりが終わったからか、はたまたクリスマスと正月を挟んだからなのか、前回の検診より2kg増とかなりの増えっぷりだった。
 クロエと並んで座り、診察を待つ。その間、シンシアは動いているようで、何度か胎動を感じた。

 診察室に呼ばれ、クロエと2人で入室する。荷物を置き、診察ベッドに横になる。クロエはアリスの足元にあった丸椅子に座っている。メジャーをお腹の上に乗せたり、お腹に巻きつけたり――前者が子宮底長、後者が腹囲の測定だ――した後、超音波用ゼリーを乗せたプローブを押し当ててエコーを取り始める。シンシアはその時も起きていたようで、エコーの画面の中でよく動いていた。途中で1度だけ胎動を感じたのも、気のせいではないはずだ。アイリーン先生は苦労しつつも、2つに分けた画面の左側にシンシアの頭、右側にシンシアの腹部の輪切りを映して一時停止する。頭は4.08cm、腹部は11.55c?らしい。
 その後、アイリーン先生がこう聞いてきた。
「性別、分かったら知りたい?」
 当然、ここで言う性別はシンシアの性別だ。確かに気になるところではある。
「そうですね、知りたいです。」
 それを確認すると、アイリーン先生は特にシンシアの足元を映そうとし始めた。くねくねとよく動くシンシアだが、どうしても足の間は見せてくれない。
「うーん、ちょっと角度が悪いから映らないね。」
 性別は次回検診のお楽しみになり、次にシンシアの足の骨を映して一時停止する。2分割された反対側の画面は、シンシアの顔が正面から映されている。足の骨の長さは2.56cm。総合して、シンシアの予測体重は196gとのことだ。
 今度は3Dエコーに切り替える。肌色の画面に映し出されたシンシアは、体育座りで頭を抱えた状態の、なんだか悩ましい格好だ。動きつかれたのかおとなしくなっている。
 エコーが終了した後は、以前ヒースから受け取った会社の健康診断の結果をアイリーン先生に見せた。話によると、貧血の薬はヘモグロビン値が11.0を切ったら処方しているとのことだった。11.3ならまだ許容範囲ということだろう。その採血からすでに1ヶ月以上経過しているが、どうせまた近いうちに貧血の検査があるだろう。
「終わったら、助産師の話がありますからね。次は4週間後に来てくださいね。」
 診察終了まで、クロエは本当に見ているだけで何も言わなかった。