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地球が消滅するとき

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 パンジャはテレパシーを使う?
 彼らの歴史を語っていたが、伝説の国といわれているアトランティスは存在していたのか。そしてここへ来るまでどこにいて、どのようにしてここへやって来たのだろう。
 アトランティデスはパンジャと共に300年以上生きてきたということか。
『賢者の石』とは?


 木下さんは『賢者の石』のことを知っていた。
 古代ヨーロッパから伝わる錬金術に使われ、中世ごろからは人間を不老長寿にできるといわれていた物質のことで、今でいう黄血塩、つまりフェロシアン化カリウムのことだという。今では金メッキに使われたり、食塩に固結防止剤として添加されてもいるということだ。無論不老長寿の効用はない。

「『ハリーポッターと賢者の石』っていう本があったでしょう。いろいろな物語やゲームの種にもなっています」

 ここから出たことのないはずのパンジャが知っているのだから、海底に沈んだというアトランティス大陸と、何らかの関係があるのかもしれない。しかしそれをどうやって手に入れるというのだろうか。いや、パンジャのいう賢者の石が木下さんの言ってるのと同じとは限らない。


 翌朝、木下さんと榊原君と僕とムーブ族2人はパンジャの洞窟のある昨日の地点より下流の、オオコウモリの棲息地と教えられた方へ向かった。

 谷は長い距離がありそうである。
 降りられそうなところがあると木下さんは、ガイガーカウンターと石を採集するための道具を持って下って行った。そして嬉しそうな表情をして戻ってきた。成果があったのだろう。

 オオコウモリのコロニーでは、僕が麻酔銃を撃ち込んだオオコウモリ10匹から血液を抜き取った。麻酔を命中させるたびに歓声がとぶのだが、このためにかなり練習を積んできた甲斐があったというものだ。
 オオコウモリは翼を広げると2メートルになるものもいて、狐のような、またはある種の犬のような顔をしている。音波ではなく視覚で獲物を捕らえるのだ。

 僕たちはウイルス防護服を着て行ったので、ムーブ族や付いて来たパンジャ族の笑いの種にされた。子供たちには、もみくちゃにもされた。
 陽気で無邪気な民族である。
作品名:地球が消滅するとき 作家名:健忘真実