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神待ち少女

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「だいたいわかりました。確かに未成年の援交みたいですね。でも家出してるとはいえ売春するなんて…」
「問題だよね。でも、無くならないだろうね。売春は人類の発達の非常に初期の段階から存在しただろうとされてるし、人類最古の商売とも言われてるからね」
「なんでこんなに需要があるんですかね?」
 普通に疑問だった。そういう行為は、恋愛の過程において起こりうることで、それが自然だと思う。それを金で買うんでしょ?私が男だとしてもわからない。
「まぁ一概に言えないね。性に関しては、思っている以上に奥深いものがある。だって、一種の産業でもあるんだよ。数十年前まで、ブルセラショップっていうのがあったじゃん。今でもTSUTAYAに行けば普通にAVが置いてある。雑誌の表紙を飾るのは、水着の女の子。PCゲームには女の子のキャラクターがたくさん出てくる」
 なんか話がいろんな方向に派生している。そういえば柊がブルセラショップの話をしてたなぁ。
 使用済みのブルマーなどの体操服やセーラー服などの制服等を販売する店をいうらしい。ブルセラショップの繁栄があったことが、学校教育機関において体育授業に用いられる衣服としてブルマーが使われなくなった原因のひとつとされてるみたい。
 さすが柊。なんでも知っている。正直不愉快な話だ。そんなん買う奴の気が知れない。そういう奴がいると考えただけで、気持ちが悪い。
 そんな話はさておき、なんか話ているうちに少しずつ雫さんに心を開いているような気がした。雫さんは少し柊に似てるかも。いろいろ詳しそうだし。かわいいし。そもそもさっきまで知らなかった人なのに、いつのまにか話を聞き入ってるしね。
「なんか、だんだん話がずれてきたね」
 一瞬沈黙があって、雫さんは伏し目がちになって、再び口を開いた。
「実は、私、神待ち少女なんだよね……」
「え、そうなんですか!?」
 多分そうだろうとは思っていた。でも本当にそうだったとは、ショックだった。
「いろいろ事情があってね。聞きたい?」
 私は正直そんなことをしている人とは、距離を感じる。やっぱり少し抵抗がある。けど、私が想像してるより雫さんがいい人そうだったから、この人のことをもう少し知りたいと思った。
「神待ちしてるなんていったら、引くでしょ?怖いでしょ?なんだこいつって感じじゃない?」
「確かにそう思いますけど、雫さんは多分深刻な事情があってやむを得ずそうなってしまって、本当はそんなことをするような人ではなかったんだと思います」
 なんでだろう。なんかそんな感じがしたのですぐに口に出していた。見た目で人は判断できないものだが、少なくても悪い人ではない。人当たりはよさそう。そういえば私もそんなこと言われたことがあったっけなぁ。
「そう、それなら良かった。でも変なこと聞いちゃったね、ごめん」
「大丈夫ですよ。それより、よかったら話してくれませんか?」
「あたしの過去について?いいけど、つまらないよ」
「つまらないなんて言わないでくださいよ。つらい話だと思います。私も覚悟して聞きますよ」
「ありがとう。あんた見た目に似合わず、しっかりしてるみたいね」
「そうですかね?ただ思ったことを口にしてるだけです」
「そうなの?見た感じはまさに今どきの女子高生で、キャピキャピしてて、西野カナとか聴いて泣いてる女の子かと思ったよ」
 さすがにそこまでは思ってなかったでしょ。後づけだな。まぁいいや。話の続きをしようよ。
「じゃあ話そうか、後藤雫について」
 少し声のトーンを低くして話し出した。語りかけるように。

作品名:神待ち少女 作家名:ちゅん