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【完結】紅ノ姫君-アカノヒメギミ-

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 僕は人間の色が視える。魂の色、とでもいうのだろうか。
  それも、魂の色は一定していることはなく常に変化している。冷静だったり鬱だったり、口数が少ない人は青い色を持ち、陽気で楽天家、口数が多い人は黄色い色をしている。だから僕には知らない人を見てもその人の性格や人となりが直ぐにわかってしまう。同じ色の人は決していないが、色層の近い色の人は性格も行動も似てくる。お陰で人付き合いは上手くいっている。付き合い方がわかりやすいし、仲良くなれる方法も知っているからだ。
 とにかく、僕には人間の魂の色が視える。
 生まれつきこんな目であるが、意外と自分には常識があると思っている。自分の目のおかしさも十二分に理解していたので、わざわざ他人に話したこともない。こんなこと話したら異常者扱いされて精神病院に飛ばされるか、カウンセラーという名の詐欺師に毎日質問攻めにされるだけだ。
 だからこの目に関しては誰にも話したことはない。親にもだ。
 物心ついた頃から誰にも話さないことを実践していた。
 これは僕がこの目を理解していたと言うよりも、この目が僕に理解を促したというか。生まれつき、この目との付き合い方も知っていたんだろう。
 僕はこの「人間の色が見える」目を「認色の眼」と呼んでいる。呼ぶと言っても無論人前では言わない。自分の中での呼称だから口に出すことはない。
 この認色の目で、今まで色んな色を見てきた。青、藍、黄、桃、紫、水、緑、桜、紺、茶、鼠、柿、橙、肌、銅。
 十七年以上生きて、色々な色を見てきた。だがまだ、僕には見ていない色が二つある。
 いや、二つあった。