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イミューンシステム

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 パーソナルIDとゲームの固有のユーザーIDを入力し、データの再発行を要求。「RoB」のデータを開き、ゲームのサーバにアクセスすると、個人ログを照会、つい1時間前までやっていたゲームのシステムログを呼び出した。
 はやる気持ちを抑えながら、中身を確認していく。そのデータの羅列の最後の行に12桁の数字を見つけた。俺が「RoB」をクリアした際にはじき出したスコアだ。
 これだ。
 12桁の数字を記憶させ、さっきのアクセスページを再び表示。入力フォームに「RoB」のスコアを入力、送信。
 新たなページに飛んだ。
「よしっ!!」
 完全な勘だったが功を奏したようだ。


 再び画面がブラックアウトし、新たなメッセージが浮かび上がる。
――「RoBに満足できなかったあなたへ。リアルに餓えるあなたへ。リアルを、あなたを感じられることのできる世界をあなたへ」
 なんとも思わせぶりなメッセージだ。
 画面をスクロールさせると、そこに現れたのは住所と管理者のIDだった。
――「あなたの任意の時間を下のフォームにご入力頂き、その時間に上記の住所までお越しください。無償にて未知の体験をあなたに提供させていただきます」
 得体の知れないその怪しげなメッセージを、俺はしかし、信じることにした。
 なにか危険なことに巻き込まれようと、セントラルに取り締まられるようなやっかいな事態になろうと構わなかった。虚無感で満たされる現実などリスクとして賭けるには安いものだ。
 俺は入力フォームに明日に控える基本労働が終わった時間を指定し、送信した。
 その後、ページに書いてある住所と、管理者のネイションIDをネットで検索にかける事にした。
 ネイションデータベースで照会すると、ブランクページに行き当たった。
「ブランク……?登録がないんじゃなくて?ブランクってどう言うことだ?セントラルの管理外のネイションなんて存在しないはずじゃ…」
 一切の情報が書かれておらず「ブランクコード」とだけ書かれたページをいつまでも眺めていてもしょうがないので、わからない情報は諦めて、今度は住所を調べる事にする。こちらは、ブランクページにこそ行き当たらなかったが、現在では使われていない荒廃地域が指定された。
作品名:イミューンシステム 作家名:武倉悠樹