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イミューンシステム

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 そもそも自動スクロールがこのメッセージに合わせて止まったのも謎だ。なにかスクリプトを紛れ込ませていたのだろうか。
 なにからなにまで得体の知れない書き込みだったが、その後続いた危険性は無いという書き込みを信じてアクセスをしてみる事にした。
 心のどこかで、RoBに求めていたリアルを感じられるかもという希望を信じたかったのかもしれない。
 匿名のBBSから跳んだそのページは一瞬画面がブラックアウトしたかと思うとぼんやりと謎の入力フォームが出現するという仕様になっていた。
――「Please your score」
 一言その問いかけがあるだけだ。
 これが「意味不明な入力フォーム」と言うやつだろうか。
 直訳すると「あなたのスコアを」という意味だが、いったい何を問うてるんだろうか。
 今一度先ほどのBBSに戻り、途中まで読んでいた閲覧を再開。なにかこのページの解読のヒントになる書き込みは無いだろうかと追っていくが、めぼしいものは見当たらない。 
 一体、入力を求められているのは何のスコアなのか。
 それがわかれば、RoBを超えた、リアルを感じられる世界が待っているかもしれない。イタズラに振り回されているだけなのかもしれないのに関わらず、俺の中で牙をむき出しにした空虚が暴れまわり、興味は膨れ上がる。
 試しに架空のパーソナルIDを入力してみるが、反応はない。
「スコア。スコア。スコアって何だ?」
 頭をフル回転させ、知恵を絞り出す。
「何かの得点じゃなくて何かの楽譜の事だろうか?」
 音楽の楽譜のことをスコアと呼ぶことを思い出すが、結局なんの楽譜を入力すればいいかわからないので、根本的な解決には繋がらない。
 文章で楽譜を表現する方法を調べてみたり、試しに音階をアルファベットや数字に置き換え、適当な音楽を入力をしてみたが、手応えはない。
 あと、試してみてないのは自分の本当のパーソナルIDだけだが、得体の知れない人間にこちらの素性がバレるのはよろしいことではない。
 たとえ、セントラルの基で平等化されたがゆえに、個人情報などなんの価値も持たず、ネイションのデータベースを照会すればある程度のことは調べられるとしてもだ。
 ここで、俺は一端謎のアクセスページを閉じた。
 手先を操作し、トラッシュボックスを開くと、削除したデータを漁り「RoB」のログを発見する。
作品名:イミューンシステム 作家名:武倉悠樹