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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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シロアリバスターズ

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手順2 懐へ入り込む術



 和室で床下点検する理由は、最近の家の和室はあまり使用されておらず、キレイに整頓したままで、特に来客時に使われることが多いようだ。そのような部屋なら、あまり抵抗なく他人でも招き入れられる可能性が高い。実際、田舎に行くほど、簡単に客を家に上げる傾向がある。見知らぬ訪問者でも、つい許してしまうことも結構あるのだ。もし、一階に和室がない場合は、台所などに設置された床下収納庫を外せば、簡単に床下にアクセス出来る。

 植村は和室に入ると、部屋の一角のカーペットをめくった。そしてリュックから差し金のような道具を取り出し、畳の縁に差し込んでそれをめくりあげると、そこに床板が露出した。畳は壁に立てかけた。最近の家はこの床板が、コンパネと呼ばれる合板が使われていることが多く、取り外すのが手間だが、今回はラッキーなことに、無垢の杉板が使われている。

「杉板ですね。杉にはスギチオールという成分があって、害虫を寄せ付けない性質があるので、とてもいいですよ」
 そう言うと主婦はホッとする。しかしこれは植村の策略である。不安をあおり続けると疑心暗鬼になり、点検の途中で突然中止させようとする主婦も多いのだ。もし松板が使われていたとしたら、「松ヤニを含んでいるから、湿気に強くていい」と言うだけだ。
 植村は床板を固定している釘にバールを差し込んで、いとも簡単にその釘を抜いた。床板はあまり傷付けず、すんなり抜く手腕は、相手に安心感を持たせることが出来るので、営業マンでもこの技術は体得しておくべきものだった。