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耐える力

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その三



子育てが一息つくと、次に待っているのは連れ合いと親の介護だ。
私は実母と暮らしたので亡くなるまで責任を持っていたが、母は90歳まで自立していたので世話といえば一緒に食事をするぐらいで、母の棟の掃除はシルバーセンターから要介護1の少ない費用でしてもらっていた。

大変だったのは夫が倒れてからの十数年で、母の面倒を看る時期と重なる時期が数年あった。
夫は脳梗塞の後遺症なのか虚血性認知症の症状が出て、この状態に対応するのは命がけといっても過言ではなかった。
詳細は省くが、私はその為に神経的な身体症状が出て心療内科を受診し処方された薬を飲み続けているが、分量は最初の三粒から、夫亡きあと一日一粒でバランスを保てる状態になり現在に至っている。

夫があそこまで狂暴にならなかったら、私は薬など飲まずに来れただろうと思う。
脳梗塞、認知症などは周りの者が苦労する病である。私の知る限りほとんどが世話をしている妻が先に逝っている。
私は世話をほとんどせず、パソコンの中でフレンドとの楽しい交流をしていたから、実生活ではびくびく過ごしていたけど精神的に落ち込むことがなかったのが良かったのだろう。

人はどんな苦境の時にも逃げ道を作っておくべきだ。


作品名:耐える力 作家名:笹峰霧子