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耐える力

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その四



子供が自立し、親の介護が終り、口喧しく(病気の者は猶更)脅された連れ合いをあの世に送り出してからは生き残った者は次第に老化する自分の健康に向き合うことになる。
身体には考えられない変化が生じてそれだけで生きて行くのに精一杯になっている。

今まで習得してきた趣味を身体(目や肩)の加減を図りながらライフワークとし、傍に居る家族との折り合い、それが居なければ独りの孤独に向き合わねばならない。

先に待ち構えているのは不安な未来。それがどのようなものなのか、そのことを考えるのは決して楽しいことではなく嫌々である。



思春期にはたとえ挫折し希望が持てないと錯覚していても、未来への希望は有り余るほどあり死とは無縁の自由な暮らしをする。
何をしても疲れを知らず、鏡を見れば多少なりともきれいな自分の顔を見て化粧し、まんざらではないとうっとりする。

だが晩年はそうはいかない。
顔に何かができた、口元が垂れて来た、頭の毛根が薄くなってきた、様々な変化を目の当たりにして嘆く。
これは人間の自然のなりゆきだと諦める。
あの人は死んだけれど自分はまだ生きているのだと自分を慰める。

過去に秘めた愛の思い出がふっと浮かぶ時少し心が和む。
別れたからこそ味わえる思い出。
共に暮らした人との良い思い出など欠片もない。

荒野にたった一人で立っている気分だ。

そんな気持ちを知らずにいじめをしてくる輩がいる。
そのことを書くために、「耐える力」を書き始めた。
次回からその話へ進もう。




作品名:耐える力 作家名:笹峰霧子