小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

打ちのめされて、癒されて

　病院で傷の治療をしてもらったＬＯＶＥ　ＢＲＡＶＥ一同だったが、フィルは死んだ魚のような目で宙を見つめ、ヒューゴは無念さのにじみきった顔で患部を見つめ、ジミーは右の拳を握って歯ぎしりし、スティーブンはがっくりとうなだれてしゃくりあげていた。彼らは満足に楽器を弾けない状態にされてしまい、体のダメージよりも魂のダメージのほうが大きかったのだ。
　魂が傷ついたのは、ＬＯＶＥ　ＢＲＡＶＥの面々だけではなかった。ようやく帰宅できたわが子とその仲間たちが絶望に深く沈んでいる姿を見て、サラも大いに胸が痛み、涙をこらえられなかった。
（みんな、こんなに打ちのめされていて、言葉もかけられない…。私は何て無力なの…）
　サラは途方に暮れて、ブローチの真ん中のパーツを、無意識に親指と人差し指で握るように触った。