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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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LOVE BRAVE THE MOVIE

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 およそ1分後のことだった。彼女の耳元に、
「Violin」
 とささやくような男性の声が聞こえた。彼女はぱちっと目を開いた。
(そうよ、微力かもしれないけど、私にはこれがある…!)
 サラは愛用のバイオリンのケースを持ってくると、本体を出して「G線上のアリア」を弾き始めた。彼女のバイオリンの音色は聖女のまとう大きなマントのようにLOVE BRAVEの面々を包み、彼らは魂の傷が少しずつ軽くなっていくように感じた。スティーブンに至っては、母のバイオリンがあまりに心地良く、赤ちゃんのようにおやすみモードに入った。フィルは、しょうがないなぁと言いそうな目をして、年少の仲間を見た。
「素晴らしい調べをどうもありがとう」
「ありがとうサラ、俺たちのために」
「すごく慰められたような気分だよ。ありがとう」
 フィル、ヒューゴ、ジミーがそれぞれお礼を言うと、眠っているスティーブンが
「ター」
 と少し意味の分からない寝言を言ってきた。その様子に一同が吹き出し、フィルは
「スティーブン、何の夢見てんだよ」
 と言うと、少年の頭を少々乱暴になでた。その拍子にスティーブンは目を覚まし、ちらちらっと周りを見た。彼のすぐそばで、母と仲間たちが無言で笑みを見せている。
「大したことはしてないけど、みんなが明るくなってよかったわ」
作品名:LOVE BRAVE THE MOVIE 作家名:藍城 舞美