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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「え? 怪しいってどういうとこが?」
「好きなのかな? って思ってたんですけど、愛音さんのこと話される時、なんかこう・・・」
「それはね、愛音が僕の恩師の娘さんだからだよ」
「でも、それだけじゃ、そこまで真剣になれるのかなって思うんですけど」
(やばい、小原には愛音のこと、事細かに相談し過ぎたかも)
「だから、恩師中の恩師なんだ」
「どういう意味ですか? 先生と付き合ってたんですか?」
「いっ!? そんなわけないだろう。中学の時だよ」
「でも何か、ありそうですね。その雰囲気が怪しい。私の同級生でも高校の時、教師と付き合ってる子いましたよ」
「えっ? それアウトじゃない?」
「完全アウトですけど」
「本当は、お前のことじゃないだろうな」
「わたし・・ではない・です」
「うん? 今の言い方こそ怪しかったじゃないか。本当のこと言っちゃえよ」
「いえいえ。本当に私は関係ないですよ」
「本当に? でもちょっとその話面白そう。詳しく教えてよ」
「ええ、その子と仲良かったから、その先生、私にもバレてるの分かってて、私をカムフラージュに使おうとするんですよ」
「どんなふうに?」
「その子とばかりいたら、周囲に怪しまれるから、わざと私にも慣れなれしくしたりして」
「へえ、なんか嫌な教師」
「でもいい人でしたよ」
「それでもそんなふうに思えるの?」
「ええ」
「自分の相手でもなかったのに?」
「まあ」
「・・・・・・」
ちょっと横を向いて固まる博之に、
「何考えてるんですか?」
「いや、普通、そんな教師には嫌悪感抱かない?」
「あ、それは悪い先生だって思いますよ」
「二人の交際が真剣なものだったとしても、周囲からしたら受け入れがたいって思うんだけど」
小原の話し方に、何か違和感を覚えた博之。
「それはそうですね。そこまで深く考えてたわけじゃないです」