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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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風鳴り坂の怪 探偵奇談15

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「かぜのなるさか…がんかけそうろう…うしろのしょうめん…あのこはだあれ…」

ゆっくりゆっくり、途切れ途切れに歌われる、その不可思議な歌は続く。

「かぜのなるさか…さいごのよるは…ほこらにおまいり…まんがんじょうじゅ」

ざっとノイズのような音が部屋中に走った。電気が明滅し、そして再び静かになる。

「…あれ、なんだ?いま、俺なんか…喋ってた?」

伊吹がキョトンとして颯馬を見つめている。メッセンジャーとして使われた伊吹の言葉から、颯馬はヒントを得た気がした。

「先輩、大丈夫?気分悪いとかないですか」
「ああ、平気だけど…」

颯馬はほっとする。力を失いかけているとはいえ、彼に憑いたのが神様でよかった。少しぼんやりしているが、大丈夫そうだ。

(忘れられたら…悲しいよなあ…)

あの子は力を失うことよりも、人々に忘れられていくことが寂しくてならないのだ。

「かぜのなるさか、さいごのよるは、ほこらにおまいり、まんがんじょうじゅ…」

なんだその歌、と伊吹が不思議そうにこちらを見てくる。

「祠か、祠があるはずだ…」

神を祀る場所。あの坂にあるはずだ。探さないと。探してやらないと。見つけてやらないと。

「明日の夕方、もう一度風鳴り坂に行ってきます」
「ん、なんか作戦でもあるのか」
「はい」

少女の思いが、颯馬をあの坂へ呼ぶ。




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