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もやもや病 2

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12 脳波の検査

ある日、てんかんと診断をされていた総合病院の女医先生から電話があった
脳波のことが納得がいかないから、次男の脳波をとらせて欲しいという話だった

気持ちが落ち着いていた私は、学校が終わる時間にと言うことで病院に出向く約束をした

約束の日、授業が終わってからだったから、病院の中はもう比較的人が少なくて、次男は脳波の検査室に入り、私は女医先生とお話をした

まるで、患者会の代表みたいな話をしたのではないかと後で思った
小児科の先生に是非この病気を知って欲しいこと、小児科の先生がこの病気をご存知だったら脳外科に回してもらうことが早くできること、そのために、このように脳波の違いをわからないからと見てみたいというようなお話なら協力すること

今の私の気持ちの状態が良いから言えたことだった
学校の授業について行けないこと、知的レベルは少しずつはあがっているけれど、この先の不安なこともお話しした

女医先生は、ここではない病院に子どもの心理と勉強を見て下さる先生が居るから行ってみますか?紹介状を書きますと言われた

そうこうしているうちに小一時間の検査が終わって
帰ろうとしたときに、女医先生が、伝票を持ってきた
会計は終わっている時間なので、後で精算ということでとりあえず2000円窓口で払って頂きます…
いきなり、無言になった私
その場で何も言えなかったのだけれど
おかしくないか?って思った

後になって思えば、それも仕方がなかったのかもしれないけれど、でもその時には私はおかしいと思った…
車に乗って次男と話しもせずに帰ってきた
帰ったらたまたま夫が早く帰ってきた
私は夫に話をして、先生に電話して欲しいと言った
夫はそういうとき私のために電話をするような人じゃなかったと思うのに、してくれた、けれど、もう帰られたのだと思いますという病院の人からの返事で、話をすることはなかった

私たちが望んだ治療のためとかその検査ではないのに、どうして会計をしなくてはいけないのかと思ったこちらはもうかかりたくもない病院に時間薬で行けるような気になって出かけた、それは先生が脳波の違いを学びたいと言ったからで、家の事情じゃないじゃないかと

私はその日のうちに手紙を書いた、長い手紙だった
ほんとは書いてはいけない恥ずかしい手紙だったかもしれない、でも、2年も過ぎてやっと書くことが出来る
そのためのチャンスかもしれないと思った

1年から5年までの間、てんかんとしての治療でどれほど学校生活、人間関係に悪影響だったか
倒れる数日前に受診したときにこの病気がわかっていたら、後遺症はなくてすんだかもしれない

先生の子どもさんの同級生、同じ官舎の上下に住んでいる、この地区で1番目の難病指定になった子どもさんのお母さんが、私に話してくれたこと、あの先生はこの病気を知らないはずはないのに、家の場合はすぐ大学病院に回したのに…

そんな思いをどう書いたかは覚えていないけれど
長い手紙にして送った

検査の翌日、その先生から電話が来て、紹介状を書きましたから取りに来て下さいという連絡だった、思いの丈を書いた後のまだ手紙が届かない段階の話を私はどうしたら良いかと戸惑いながら言葉少なに電話を終えた

数日後、女医先生から手紙が届いた
無神経なことをしたと詫びた手紙だった
紹介状は同封するから是非行ってみるようにと、そして、私が送った伝票の代わりに2000円が同封されてた

女医先生から頂いた紹介状はしっかり活用させて頂いて、家から少し離れた病院に行くようになって、親子離れてのカウンセリングというか、知的レベルの診断とか、勉強の仕方とか、1年ぐらいは通ったのかな…

作品名:もやもや病 2 作家名:とことん