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もやもや病 2

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11 中学生になって

主治医に、中学の進学についての相談をしたとき、主治医は、養護学校を薦めた

私は隣の市の養護学校を訪ねてみた
対応して下さった先生は、次男のことを話した内容から、この子がここに来ても、この子のためにマンツーマンのクラスを作ることになると思います
ここにはIQで次男のような数値の子は居ません
マンツーマンのクラスを作ることは可能ですが、学校というものはそれで良いということもないでしょう
地域の学校で頑張ってみませんか…とお話しして下さった

給食時間に当たって見学させて頂きながら、養護学校という学校を初めて見せていただいた

次男は地域の中学に通うことになった
可愛い顔をした顔に合わないぴかぴかの制服を着た中学生の次男
最初の1年だけは3年の長男が居るから、登校は一緒だと思うとありがたかった…
次男は学生服を着て、ぴかぴかの1年生になった…
学校指定の新しい自転車を買って、ヘルメットをして

長男と通い始めた
中学は、小学校より近かったし、近いのに自転車だから、1時間もかかる小学校がウソのようで…

担任は体育の男の先生…
この年は決行落ち着いていたと思う
男の先生なのに、細かいことに気がついて、次男のことを色々報告もしてくれた
そうそう、この先生、ノートを用意して、私との交換日記が始まった
次男の様子、渡したプリントのこと、何でも書いてくれて…
私は親の思いをぐずぐず書いた…
それは多分先生にとってはかなりの負担だったのだと思うけれど…ありがたかった
でも、現実の次男の生活は
小学校2校が一緒になって中学になったから
25,6人の2クラスは、30数名の3クラスになった

隣の小学校から来た次男を知らない生徒にはもしかしてうまくやれる人が居てくれるかもしれない…淡い期待だった

それはじきに、すぐに、消えた

次男は帰宅部だったけれど、部活に入った生徒達は、ちゃんと次男のことを知らない子に教えてくれたようで

あとになって次男が言った

僕が廊下を歩いて来るとね、そこに居た人たちがみんな壁に張り付いて、僕が通り過ぎるのを待ってから元に戻るの…

授業参観で見た時、4人の班で授業の時、順番に答えをさされるとき、英語とか数学とか…わからない内容の時、机に顔を伏せるようになった…
それを見ていたら、他の日のことも想像が付いた
机に伏せていたら、女の子が、具合悪いなら保健室に行けば?と声を掛ける
例えば、次男は頭が痛くなくても、その声かけで保健室に行くと思う
そうやって教室から逃げ出すことを覚えたのだと思う

次男は今でも、漢字には強い
けれど、新しく覚えるべき英語や数学はほとんど理解出来ていない

行き帰りの自転車
長男が私に言う
学校では、併走してはいけないと言うことになっている
前に次男を走らせれば、脇から来る車に気を付けるように怒鳴らないといけない
後ろを走らせれば、その後ろから来る車がクラクションを鳴らして、次男が車が来たことに気がつかないことを知る
車が居なくてもちゃんと着いてくるのか道からそれて畑に突っ込むのじゃないかと気になる…

次男は、走っている車があとどれくらいでここまで来るかという予測を付けることが出来ない

僕は心臓がいくつ有っても足りないよ、お母さん…
長男が私にそう報告してきた

行きはそうして自転車で行っても、帰りに迎えに行くときには自転車を置いてくることになる、翌日もまた車、それを繰り返しているうちに早いうちにもう、車で送り迎えということになってしまった…

中学の制服を着た自転車が、判断も出来ずに自転車に乗っていると思いながら走る自動車の運転手は居ないだろう…

でも、とにかく中学校に入って何とか生活が慣れてきた頃
それは、患者会にも入って、病気のことを学びだしたときだったし、先輩方の話も聞くことが出来て比較的、私の気持ちが安定しているときだった

でも患者会に入ろうと思ったのは
病気のことはともかく、毎日の生活でのこと、親としての孤独感、これからどうなっていくのかという思いが、患者会に入ると言うことにつながった

電話をしたとき、言うことをわかってもらえたという気持ちが、その場で入会を決めさせた

会報を最初の号から取り寄せて読んだし、中学1年の夏には患者会の役員にも名前を連ねていた…

作品名:もやもや病 2 作家名:とことん