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紅装のドリームスイーパー

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 葵があたしのほうをチラチラと横目でうかがいながら、黒ネコにそっと耳打ちする。
「ルウ、このひと、ホントに夢見人なんですか?」
「それは確実だ。ここにいるのがなによりの証拠だろう」
「アハハハハハ! あたしは夢を見てる、全部、夢なのよ……」
「……なんだか、現実逃避してるようですけど?」
「夢のなかにいるのに現実逃避というのは矛盾していないかね?」
「ハナシをそらさないでください。わたしが言いたいのは、いまこの場で説明しても彼女は信じてくれそうにない、ということです」
「アハハハハハ! お願いだから、これが夢なら早く覚めて!」
「フム。きみの言い分はもっともだな……仕方あるまい。現実世界での彼女に会って、説得にあたってみるとするか」
 黒ネコがあたしを穴のあくほど見つめる。表情にとぼしいネコの顔がニヤリと笑ったような気がした。
「ほう。彼女、現実世界では男だな。アバターの性別が現実世界と異なる、というのは珍しい」
「「え?」」
 あたしと葵の声がハモった。
 思いだす。ホントのあたしは男だということを。
 頭を抱えて叫んだ。
 あたしは──