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擬態蟲 下巻

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「小隊長、ご苦労であった。」
微笑をもらしながら佐佐木原清人は口をあける。
「すまんが、酒の席には不似合いでな、この汚いモノを片付けてはくれまいか_。」
白石小隊長は敬礼すると、廊下の兵士を呼び込んだ。
運び出されてゆく大塚たちの遺体から目をそらして、桑畑権蔵と福田千吉を見据える。
「どうです?福田さん。いろいろと考えることがありそうですねぇ。
いや、聡明なあなたのことだ、私はもう結論は出ていると思いますがね。」と、わらう。
「両替商の持っていた御社の株式は、責任を持って私が買い取ります。
政府のために、御国のために我々が行なうべきことに互いに力を併せていきましょう。」
桑畑権蔵の目に涙が溢れた。
「畜生め、こんなときに涙が出てきやがった。
佐佐木原大佐、ありがとうございます。
ホントにね、御国のためにね、尽くしていきます。
これからもね。よろしくおねがいいたしますよ。」
桑畑権蔵は泣いた。
髭の紳士はうなづいてみせる。
「あぁ、私たちの手掛ける仕事はこの國の兵士を必ず強くしてくれるでしょう!」
福田千吉は桑畑権蔵に対して頭を下げた。
「もうしわけございません。私が愚かだったばっかりに・・。」
桑畑権蔵は、福田千吉と佐佐木原清人と抱きあい泣いた。
佐佐木原清人は二人の男たちの方を軽く叩きながら
「さぁさ、涙を拭きなさい。これから我らが行なってゆくことこそが
御国の発展にそのまま繋がってゆくのです。」
そんなことがあってから男たち三人は意気投合して酒に酔った後
遊女を抱くこととした。真面目で通っている福田千吉も仲間に入った。
「まぁ、西班牙女の体を楽しんでくださいよォ・・」
という桑畑権蔵の勧めもあった。
そして、当の本人の権蔵は、絹代を抱くべく満月に少し足りない月明かりを頼りに
丘の上の土蔵を目指して登り坂を登って行った。
白壁の土蔵が見えると足を止め一度息を大きく吸い整える。
するとひとりの小さな影が権蔵のまえに立ちはだかる。
おずおずと、ビクビクと、物干し竿を構えている。
その姿はあまりに脆弱で、思わず笑い声をあげた。
権蔵の目の前には善一が立っている。
「ハハハ、どうした?善一。ははぁ、さては絹代に惚れたな!」
権蔵はゆっくりと歩き出すと善一は物干し竿を突きつける。
権蔵は物干し竿を掴み取ると捩じ上げ、善一から奪い取ると、
膝で竿を圧し折ってしまう。
善一は権蔵に体当たりしていくが軽くかわされてしまい転び、坂道をころげてゆく。
権蔵は振り向くでもなくゆっくりと土蔵に向かう。
悔しさに善一は立ち上がり、後方から権蔵にしがみつくが、簡単に放り投げられてしまう。
「さぁ、どうした?善一ぃ、いいかぁ男はなぁ。強くないとなにも守れんぞ!」
善一は投げ飛ばされても起き上がり、権蔵に挑んでゆくがかなわない。
「旦那さま、おねがいでございます、絹代さんを甚振るのをやめてください!」
胸倉にしがみつく善一の首根っこを掴み上げ、思い切りの力をこめて鉄拳を入れる。
「しゃらくせぃ!」
善一が急な丘の坂道を転げ落ちて行く。
土蔵に着くと、権蔵は帯を解き、絹代の着物を脱がす間もなく、男を突き立て
後ろから犯した。なんども、なんども。

作品名:擬態蟲 下巻 作家名:平岩隆