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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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映画 戦国生徒会

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 映画スタッフが楽屋を出ようとすると、
「生徒会長君と副会長さんは残ってくれるか? ちょっと相談があんねん」
死神さんが、映画の中での博之と千鶴の役柄で呼んだので、みんな何事かと呆気にとられた。
「ちょっと3人だけで話したいことがあるさかい」
そう言って死神さんは、映画スタッフとバンドメンバーまでも、楽屋から外へ追いやった。

 博之は、(まさか、ちぃとの交際がばれたのか? そんなはずは無い)
(でも、もしばれたのならケンカになるんじゃないか?)
(いいや、体力では俺の方が圧倒的に上だから、それはない)
(じゃなんだろう。映画のことで相談だろうか?)
(それなら、中川や近藤も同席していいはずだし、バンドメンバーもいていいはず。やっぱり、ちぃのことか・・・)
みんなが楽屋から出て行く間、不安でそんなことを考えていた。

 楽屋に3人だけになったところで、ドア前まで見送っていた死神さんが振り返り、博之を見た。博之は千鶴を見たが、千鶴も不安そうに死神さんを見ており、目を合わせない。
「さて、話というのは、木田君(博之)。お前、千鶴のことどう思ってる?」
「どうって・・・(どう答えたらいいんだ?)どうって、どういうことですか?」
「今日、千鶴から聞いたんや。つまり、ワシから奪う気があんのかを、聞いてんねや」
(むん! もう知ってるって訳か! これじゃ直接対決しかないな)
博之は体を大きく見せ威嚇するために、少し胸を張った。
「佐藤はもう、僕の彼女です」
「それはちゃうな。千鶴は俺の女や」
「いいえ。8月からは僕の物です。絶対渡しません」
「そうか。ほな千鶴はどう思ってんねん」
「彼女に聞く必要はありません。同じ気持ちです」
千鶴は、泣きそうな目で立ち尽くした。
「・・・・・・そうか。夏休みに大阪に帰っとった間に、俺は寝取られとったって訳か」
「そうじゃない。私はゼンギョーちゃんにしっかり言ったはずだよ」
「そやったかな」
・・・沈黙。
「何を言ったんだ?」
恐る恐る博之が聞いた。
「私も何人かの追っかけの一人なんだったら、彼女じゃないって」
「その話か。そんなふうに思とったと知って、真面目に付き合おうと考えたんやで」
「もう遅いよ。何人も彼女がいること知って、付き合える訳ないでしょ」
「そりゃそうですよ。他に女がいるのにそれはないですよ」
「ひろぽんだって、今日、香織さんに会いに行ったじゃない!」
「え? ごめん」
「なぁにぃ!? やっぱりお前に千鶴はやれーん!」

作品名:映画 戦国生徒会 作家名:亨利(ヘンリー)