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CLOSE GAME

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 目の前に白い物がフワリと飛んできて、咳込みながらもそれを掴む。
「窓……。閉めなきゃ……」
 さっき風が吹いていたことを思い出して振り返ると、あたり一面、白い綿毛で窓はおろか、自分が座っているはずのベッドすら見えない。
「なんで、綿毛?」
 手にしたゲーム機を置いて、ベッド脇に置いてある薬に手を伸ばした。
「……メプチン……。メプ……」
 途端に息が詰まり、枕を抱えて咳込む。吸ってるはずの息が喉の途中で止まってしまって、必死で左右の鎖骨の間を手のひらで叩くけど、詰まっている痰は絡む一方で息が出来ない。
 そう。発作を起こしちゃったんだ。
 枕の先にナースコール用のスイッチがある事を思い出して、薬を諦めてそっちへと手を伸ばす。
(……ない? ……なんで……?)
 スイッチの掛かっている“壁”が、ない!
 伸ばした手は空を切るばかりで、目の前に落ちてくる綿毛に更に咳込みながら、ボクは気を失った。


作品名:CLOSE GAME 作家名:竹本 緒