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白久 華也
白久 華也
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SS珍事件

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超潔癖症の『彼』


 
 洗車が安いのがウリの当店。
 門型の洗車機による洗車ではあるが、落ちきらない汚れは手作業でなるべく落として差し上げることにしている。だが、染み付いた古い汚れはなかなか落ちるものではない。傷や塗装の劣化が激しい車では、なおさらである。
 全体的に砂埃をかぶってしまっているとか、鳥のフンがついているとかで、汚れが新しければ、多少のこびりつきもがんばってこすればきれいになるので、それなりにやりがいもあるというものだが、仕上がりが洗車前とどう違うの?と思うような車を毎回洗車していく人もいる。


 その手の人の中に、超潔癖症の『彼』がいる。
 仕事のある日は、ほぼ毎日、シャンプー洗車のためだけに来店される。
 ガソリンは、他の地域最安値店で入れる。
 はじめのうち、洗車後の拭き上げや、洗車中手作業でこするのは拒否的で、あくまでも自動コースでシャワーされ、自然乾燥で帰りたいらしかった。多分、車がピカピカになるのが目的ではなく、『菌』を落とすのが目的で、使いまわしのブラシやタオルが嫌だったのだと思う。
 ただ、しばらくそれをくりかえしていたら、うろこ状水滴跡が目立つようになってきてしまった。 
 だから、今は説得して、こすり洗いや拭き上げをしている。

 『彼』は支払いのとき、手渡すのに手が触れないよう、細心の注意を払うらしい。
 お金は洗っているらしい。小銭はいいけど、お札も洗っているらしい。
 『彼』から渡されたお札は、濡れているか、バリバリのしわしわかぴかぴである。
 洗車中、『彼』は、除菌ウエットティッシュで手指を拭きまくっている。寝ていることもあるが。

 まあ、バイクにガソリン1リットルしか入らないお客様よりは、うちとしては儲けもあるので、文句は言えない。


作品名:SS珍事件 作家名:白久 華也