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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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帰れない森 神末家綺談5

INDEX|34ページ/40ページ|

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「さっき、夢で・・・」

漆塗りの箱を持って振り返る伊吹の顔が、蝋燭の明かりに揺れている。この箱を見つけた経緯を、伊吹は静かに語りだす。




「・・・ちょっと、信じられないけど、それってすごいことだよね」

信じがたい話だった。夢と現実がリンクしたのか、瑞の心だけが夢を通して伊吹に会いにきたというのだろうか。

(これが、血の契約に由来するものなのか。それとも、二人の間だけに介在する絆というか・・・そういうものが作用したのだろうか)

箱を抱えて畳に座る伊吹を見つめて、紫暮は改めて思う。

(この子は、すごい)

流れている血や、与えられている力を言うのではない。瑞に、それも無意識ともいえる意識下にまで訴えかけるほどの何かを、この子どもは持っているのだ。

「開けますね・・・」

重たい鎖の繋ぎ目にある南京錠を外し、伊吹がぐるぐる巻きにされた鎖を解いていく。ジャラジャラというさび付いた耳障りな金属音をたてて。やがて厳重に巻かれた鎖が解かれて、箱がその全貌を現す。

「・・・箱自体は、それほど古いものではないな」

紫暮は箱を観察する。文箱というやつだろう。

「・・・じいちゃんがやったんだ」

伊吹が言う。