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ihatov88の徒然日記

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59 カニは〇〇するもの? 2/23



 職場でカニを食べに行くことになったのです。といっても、ワタクシ以下の1チーム5名、今度配属になった主任を連れて兵庫県は日本海側へ。社内でも特殊な部署にいるものですからそこそこ社員いるのに部署が部署だけに転勤してもまた同じ面々と会うことが多いんです。なので人間関係は大切です、この先離れてもおそらくどこかで会うであろう人ばかりですから。良い職場環境を作るのも班長の仕事のひとつです。

 ……とお利口さんなこと言ってますが本当は
「給料出たのでみんなでドライブしてメシ食べに行こうで」
とチームで意気投合したからなんです。ほんと、それだけなんです。

   * * *

 行き先は誰か一人が勝手に決めます。たまたま日本海側出身の部下Aが「カニどうすか?」となって異存なし、決定。みんなコダワリの無い人ばかりで最初に提案すると大概は通るものです。
 車走らせて日本海の荒海を見て、海産物の商店でカニを一人1杯あわせて5杯購入。
「カニは鍋で食べるんとちゃうんですよ。茹でて、食らう。それだけっす」
力説するは今日の幹事でカニ将軍の部下A。茹で上がるカニ同様に彼の顔も赤くなってテンション上がってきた。
「まあまあ、エエやないか。がっつくのもなかなかワイルドやんか?」
ここはみんなコダワリがない。言いだしっぺの意見は大概可決。店に併設しているビーチの見える窓際のテーブルで並んで座っていると紅く茹で上がったカニがやってきた。これが夏ならビーチで賑わう……夏だったら景色はアレでアレなのになぁ、以下省略。

 一列に並んで日本海の荒海を見ながらカニを食す。足をもいで筋を引っ張り……、普段は雑談ばっかりでうるさいみんなが食べるのに必死で一同沈黙。荒海の波の音までが聞こえてきそうだ。
 そこで口火を切ったのが今回初参加の主任、
「これって、食べてるというより『闘ってる』って感じですね?」
それを聞いた部下B、
「カニはスクルトを唱えた」
「パラパラパラ」
呪文の効果音で相槌を打つのは同じくゲーム世代のカニ将軍のA。
「うわあ、守備力上がったぞ」
 さっきまでの沈黙がいつものボケ倒し合戦に変わる。
 そして完食した主任を見てワタクシが 
「しゅにんはカニをやっつけた」
というとこれにもすかさず紅一点の部下Cまで
「パパパパーーン」
「しゅにんはレベルが上がった」
食うたらみんなボケ倒し、黙ってるのは食ってるときだけかいな……。ま、仕事してたら冗談いえないのでオフの時はとことん冗談言ったほうが楽しいと思うのはワタクシだけではないはず、そんな徒然話でした。
 
 確かに、カニって食べるより闘うって感じといった主任、キミは間違っちゃいない。先にそのフリを使われたのが悔しいくらいだ。

作品名:ihatov88の徒然日記 作家名:八馬八朔