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パシフィスタ
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夏の陽射し

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てっきりデパートに行くものだとばかり思っていたら、地元の大きな商店街にやってきていた。


「あ!これ可愛くない?」

「これ!カズ、かっこよくない?」

「うーん。これもいいなあ。」


(そういえば、俺のこといつの間にか「カズ」って呼ぶようになったなぁ)


「ああ、そうだねー。」

俺は気のないふりをしていたが、実はこんなにもはじけた姿の実澪はあまり見たことがなかったので新鮮だった。


3時間後・・・・・・


「あー、いっぱい買っちゃったなー。お金使いすぎたかな・・・」

「そりゃ、これだけ買えばね。相当使ったんじゃない?」

「お財布スッカラカン!」


そんなことをいいながら歩いていると、ふと店のショーケースに並んでいる水着が目に入った。

(そういえばもうすぐ夏だなー。海行きたいなー。)


「そういえばもうすぐ夏だなー。海行きたいなー。」

口に出さずに頭の中でつぶやいたことが隣から聞こえてきた。

「って思ってたでしょ?」

「あ、ああ。すごいな。そっくりそのまま考えてた。」

「伊達に何年も一緒に過ごしてないよ。カズの考える事はなんでもわかるの!」

「そりゃ、すごい。俺も久美の考えてること当ててあげようか。」

「ほう。」

「お腹がすいた。」

「残念。ハズレー!正解は、カズと一緒に海行きたいな、でした!」

「いいな。一緒に行きたいな。でもなー・・・部活がな・・・」

「いいよ。待ってるから。無理しなくていいよ。私はカズと一緒にいれるだけで十分。」

「悪いな。」

「ううん。いいの。私はそれがいいの。」


作品名:夏の陽射し 作家名:パシフィスタ