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超短編小説  108物語集(継続中)

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 佳奈瑠は群馬の女だ。
「かかあ天下になるけど、それでも、いい?」
 これくらいの返事ならば想定内だった。しかし、群馬の地上絵とは……。
 圭吾はきっと狐につままれたような顔になっていたことだろう。だが佳奈瑠はそれを気にも留めず、すらすらとあとを語る。

「圭吾、知らなかったの、群馬県は地上絵の宝庫なのよ。私たちはこれから家族になるのだから、馬たちの群れ、そう、私たちの群馬を見つけなくっちゃね。だけどあちらこちらへと移動するのよ、だから発見は難しいのだけど……。ねえ、約束してちょうだい、毎年結婚記念日に、私たちはどこにいるのか、その地上絵の位置を私に教えてちょうだい」

 なんと珍奇なことを言う女なのだろうか、圭吾は正直そう思った。だが、好きな気持ちには勝てなかった。「ああ、いいよ」と軽く返してしまったのだ。

 しかし、これがまことに大変だった。当時はパソコンも未発達、図書館を梯子(はしご)し航空写真を見漁った。そして最初に発見した絵があった。それは今も確認できるが、猿というか、オッサンの地上絵 (北緯36.879417  東経139.244867)だった。
 こんな第一発見が嬉しくて舞い上がり、佳奈瑠に伝えると、「もう婚約破棄するわ」とまで、こっぴどく叱られた。

 そして、その後、ついに見つけたのだ。群馬の地上絵を。