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盟友シックス! -現実と幻想の狭間で-

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第1章 始まりの教室



「えー皆さんおはようございます」
担任の森谷大志(もりや たいし)先生が入ってくる
「今日はこのクラスに転校生が来ています」
クラスがどよめく
「どうぞ、入って」
教室の扉を開けて一人の青年が入ってくる
その青年は身長が高く細身の体付きをしていた
「竜狩剣獅(たつがり けんし)です よろしく」
「このクラスはどの班も6人だから…どこに入ってもらおうかな?」
クラス中がこっち来て!ここ入ったら!などと騒ぐ
「くじ引きで決めよう 班長さんちょっと出てきて」
そう言われて俺は前に出る
「じゃあせーので引いてよ」
俺がくじを引くと先に赤い印がついていた
「決まったね じゃあ竜狩君は3班に入ってください 場所は…宮寺君の後ろでいいか」
俺たちの班に新しい仲間が来た
このことが俺たちの運命を狂わせるとはまだ知らない…

その日も何事もなく過ごせたかに思われた
だが、始まりは夜中だった
「…来い …に来い …学校にこい」
そんな謎の夢を見て目が覚めた
時間は夜11時30分だ 
「…行ってみるか」
俺は家を出発した

「やっぱり来たね」
薄暗い教室の中月明かりに照らし出されていたのは竜狩君だった
俺が教室に来たとき尾蔵と山村と長谷崎はすでに到着していた
「それにしてもまさか同じ班にこんなにいたなんてね」
その後来村と犬射も合流し班全員がそろった
「…珍しいこともあるもんだ 全員同じ班なんて」
「お前が呼んだのか?竜狩」
「そうだよ 正しくは君たちじゃなくて素質のある者を呼んだんだけどね」
「お前なんなんだよ」
尾蔵が突っかかり気味に言う
「僕はこの世界の勇者たちを選抜するための使者だ」
「使者?」
長谷崎がすっとんきょうな声を上げる
「そう 僕は別世界から来た 先の調査で素質のある者がこの学校に6人いるって結果が出ていたけどまさか同じクラス同じ班に固まっているとは思わなかったよ」
「何を基準にそんな事決めてるんだ?」
山村も言う
「わかるよ 君たちがここに来たということは同じ夢を見たんでしょ?」
「誰かが来いって言ってくる夢か?」
俺が言うと犬射がこっちを向く
「お前も見たのか」
「ああ 不思議なことにな」
「あの夢は素質のある者にだけ見えるように魔法がかけてあったんだよ」
「何っ!」
「つまり君たちは世界に選ばれたんだ 竜退治の大任に、ね」
「ちょっと待て俺体育できないぞ?」
保険だけで3をなんとかキープしている俺が言う
「仕方ないよ 選ばれちゃったんだから じゃあ武器選定に移ろうか」
「何をするんだ?」
「君たちに眠る才能に合った武器を渡すのさ」
そう言うと竜狩は目を瞑り右手を前に突き出した
「はぁっ!」
竜狩がそう叫ぶと俺たちは魔方陣に包まれて目の前に武器が現れていた
「俺は…GNソードライフル?」
俺の前にあったのは大剣の腹の部分に両面一門ずつライフルのついている武器だった
「ガンブレードって表現をしてくれるかな?」
「俺はGANTZガンとGANTZソードだな!」
山村の前にはかなり大口径のピストルと日本刀だった
「普通にピストルと刀って表現してくれない? …銃弾は爆発するけどさ」
「俺は槍か」
尾蔵の前には大型の槍と尾蔵よりも大きい盾があった
「君はまともでよかったよ」
「私ハンマーってどういうこと?」
長谷崎の前にはどう考えても殴られたら一撃で全身の骨が砕けそうなほどのハンマーがあった
「どういうことって言われても… まさかそれで殴る気?」
竜狩が一歩退く
「私は杖…」
来村の前には先に赤い宝石の埋め込まれた長めの杖があった
「ある意味予想通りって言ったら予想通りだよね」
「そうだな」
竜狩の言葉に俺も同意する
「俺はなぜ鞭?」
犬射の前にあったのはかなり長い鞭だった
「別にいいんじゃない?しかも一番単純だし」
なんとなく犬射の顔が納得行っていないように見えたのは気のせいだろうか
「さて…と 武器も選び終わったし早速竜退治と言いたいところだけど今日は遅いからね
それに幸か不幸か明日から三連休だ 十分訓練できるし君たちなら部活って言う言い訳もできるしさ …ただ」
竜狩が口ごもる
「ただなんだ?」
「竜たちがいつ活動を始めるのかわかったもんじゃないんだ」
「どういうことだ?」
「彼らはまだこっちの世界に体を慣らしている最中なんだ」
「と言うと?」
「だいたいどこ行っても異世界ってもんは勝手が違うんだ いきなり全力で活動したらこっちの世界に適応しきれていない体は消滅する それは能力の高い個体ほど時間がかかるものなんだ 僕の見立てでは多分京都のやつが一番に動き出すだろうからまあ好都合っていっちゃ好都合なんだけどさ ただ動き出すタイミングと他のやつらとのタイムラグがわからないから下手したら明日動き出す可能性もゼロじゃない」
「事態は予断を許さないって所かな?」
事態を飲み込めた俺が言う
他のやつらも大体わかったっていうような顔をしていたが全くわかっていないやつが一人いた
山村である
国語のテスト15点の実力をもつ彼に一発で理解しろと言うのも難しいことだとわからないでもないが
「…それはつまりどういうことなんだ?」
「明日世界が滅ぶかも知れないってこと」
「やばいじゃんそれ!」
尾蔵の説明でやっと事の深刻さが理解できたようだった
「じゃあ明日から修行なのか」
「そうなるね 武器はこっちで預かっとくから」
竜狩がそう言って右手を前に突き出すと武器は自然に消えた
「何でかしらないけど何かの縁で竜退治することになったんだ 改めてよろしくな!」
そう言って俺が右手を差し出すとみんなもそれに合わせて右手を重ねた
夜は静かに更けていった…