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CROSS 第18話 『Embassy』

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 BARを出た山口は、大使館に帰るため、店の前に駐車してある
車(言うまでもなく、「あの車」だ。)に向かった。
 彼は、車で来ており、駐車している場所は駐車禁止だった……。
車のすぐ近くには、駐車禁止を示す標識が立っていた……。
そして、『アオムシ』(駐車違反監視員のこと。)に、駐車違反の
紙切れが、フロントガラスに張りつけられていた……。
「確か、払う必要はなかったよな?」
山口はそう呟くと、駐車違反の紙切れをはがし、まるめてポイした
……。

「さ〜て、帰るかあ!!!」
山口は車の中で叫んだ。どうみても飲酒運転だが、止める人間がい
ないため、そのまま車は走り出した……。


 山口は運悪く、検問に遭遇した。しかし、山口は慌てることなく、
外交旅券と外交官等身分証明票をポケットから取り出すと、窓を開
けることなく、それらを検問の警察官に見せた……。さらに、窓の
外に聞こえる大きさの声で、この車は外交ナンバーだと告げた。
外交特権様のお出ましというわけである……。
 警察官は山口が酔っ払っていることにすぐに気づき、車から降り
るように説得してきた。しかし、山口は、外交特権を盾に拒否し続
けた……。やがて、警察官は根負けして、山口の車を通過させてく
れた……。


 山口の車が大使館の門をくぐるとき、警備兵は山口を見て苦笑い
していた……。どうやら珍しいことではないらしく、山口のように
外交特権を駆使して、やり過ごした人は多いらしい……。


 自分の部屋に戻った山口は、さっそくメモリースティックの中身
を、オフラインの状態にしてあるパソコンで調べた。
 山口は素人なので詳しいことはわからないが、あの科学者の言う
とおりの技術が入っていた。
 喜んだ山口は、758号世界で内地勤務しているCROSS隊員
に、技術のデータを送り、メモの物を用意して、こちらに送るよう
に手配した。

 そして、山口は、満足げな顔をしながら眠りこんだ……。