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漢字一文字の旅  二巻  第一章より

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十三の五  【巴】



【巴】、器物の取っての形、また蛇や虫が身を丸めている形だそうな。
また【巴】(ともえ)は勾玉の形をした日本の文様の一つである。それは巴紋(ともえもん)と呼ばれ、家紋となっている。

平安時代末期の武将・源義仲の側妾に【巴】御前がいた。
巴は色白く髪長く、容顔まことに優れたり。
強弓精兵、一人当千の兵者(つわもの)なり。
平家物語で、こう紹介されている。

木曾義仲は源義経の初陣の宇治川の戦いで敗れ、巴御前と落ち延びる。
義仲は「お前は女であるからどこへでも逃れて行け」と巴御前を促したが、「最後のいくさしてみせ奉らん」と敵将・御田(恩田)八郎師重を馬から引き落とし、首をねじ切って捨てた。
その後、義仲は討ち取られ、巴御前は鎧甲を脱ぎ捨て東国の方へ落ち延びたとか。

こんな武勇伝のある巴御前、日本のジャンヌ・ダルクと言われるようになった。

また、三強が競い合うことを三つ巴と言う。
つまり甲乙丙といた場合、甲の敵は乙と丙、乙の敵は甲と丙、丙の敵は甲と乙となる。
こんな入り乱れた状態だが、日本歴史上こんな事態はあったのだろうか?

それがなかなか見つからない。
大概は甲の敵は乙と丙。だが乙と丙は同盟結び味方同士となる。

それがだ、現代にこの三つ巴の状況がある。
それは今ホットな尖閣諸島問題。
中国の覇権主義で、日本/中国/台湾が三つ巴状態となっている。

【巴】は蛇が身を丸めた形。
日本は、他の蛇に飲み込まれないように、と願いたいものだ。