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「う……」
 窓から朝日が差し込む日差しで私は目を覚ました。外からは雀の鳴き声が聞える、
 目をこすりながら体を起こす私の頭に昨日の出来事が浮かんだ。
「夢…… だったの?」
 宇宙人と会ったのも兄貴と再会したのも全てが夢かと思った。だけど私は着ている服が制服だと言う事に気付いた。普通制服で布団に潜る奴なんていない、
「……そうか、もう居ないんだ」
 私の目から涙が溢れ出し頬を伝わって顎の先で布団に落ちて染み込む、半場自棄になって笑っていたがやがて大きな声を上げて泣き出した。
「寂しいよぉ…… 辛いよぉ…… バカ兄貴ぃ……」
 近所に聞えるかもしれないけど構わない、私はもう一度兄貴と会いたかった。例え夢でも幻でも何でも良かった。

 それから一週間後、あれから何事も無く平和だった。
 本当は学校なんかに来る気にはなれなかったけれども家に居るとダメージが大きいので学校に登校した。
 教室では相変わらず誰とも挨拶をする事無く席に付いた。
「昨日のテレビ見た?」
「今日帰ったらクレープ食べに行こう!」
「彼氏に振られた〜」
 教室では毎度同じく他愛の無い日常会話が繰り返され、異星人の存在やそれに巻き込まれた事が嘘のように思えてきた。
 ホームルームが始まる前に担任が言って来た。
「え〜、いきなりだが今日は転校生を紹介する、ご両親の仕事の都合で海外から帰国して来た御剣・匠君だ。」
 ミツルギ・『タクミ』?
 その名前に私は教卓の方の入り口を見る、扉が開くと1人の男子高生が教室に入ってきた。その顔を見ると私は目が頭の中が真っ白になった。
「あっ…… ああ……」
 思わず叫びそうになった。だけど言葉が出てこなかった。
「始めまして、御剣・匠です」
 そこにいたのは私のバカ兄貴だった。
 頬をつねって確めるが間違いない、本当の出来事だった。