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D.o.A. ep.17~33

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Ep.26 果と禍





「武成王ソード=ウェリアンス、此度第3軍へ助太刀に馳せ参ずッ!」

突如、戦場に参入した新戦力の筆頭が、大きく名乗りをあげる。
ひらけた戦場だけに、声はあますことなく届いたであろう。
彼が持つは、常識はずれの剣だ。
常識はずれというのは、その大きさ、重量である。
100キロに迫らんとする金属のかたまりなど、もはや人間のあつかえるしろものではない。
常人ならばいかなる力自慢でも両手で浮かせるのが精一杯であろうそれを、彼は強靭なる片手で自在に振るうのである。
「偉大なる破壊者(グランドブレイカー)」の銘を持つ、ソードのためだけに存在する無骨なつるぎは、大剣というより巨剣と呼ぶにふさわしかった。

「うおおおおぉぉおおッ!!」
彼が巨剣を振るえば、風圧が衝撃波となって、多くの魔物兵を根こそぎ吹き飛ばしてゆく。
ひるんだところへ、ソードにひきいられた援軍の兵たちも一気に切り込んでいった。
心理的な動揺のすくないといわれるオークであるが、その所以は深い思案のなさである。
よって、眼前にせまる危機には、うろたえずにはいられなかった。

「ソードが…?」
「ソードさんが…援軍に…っ!」
その安堵感、いかに絶大なるものであろうか。
敵勢は、ソードの猛進にまるで塵芥のごとく舞い上がり、なぎ払われてゆく。
かの巨漢の放つ一太刀一太刀は、オークどもにとってのがれようのない死神の鎌そのものだった。
その光景を認めて、もはや敵なし、とまで、第3軍の士気は上がっていく。
馬上の指揮官がさらにそれを鼓舞するように呼びかける。
「閣下に遅れをとるな!ゆくぞ!!」

士気の極限まで高まった第3軍の戦闘力は、先ほどとは見違えるようだった。
前後からの猛攻に、次第オークから勢いがおとろえ始める。
すさまじいペースでオークが叩き伏せられ、その数を減らしていくからである。
翼をたもつ胴体部分が崩壊する頃には、戦いは収束に向かいつつあった。
とはいえ、オークは降伏などしないので、一体のこらず撃ち滅ぼしてしまわなければならない。
ロノアの将兵は、おのおのその力のかぎり戦場を戦い、駆けめぐった。
当初の予定も、一度は失敗しかけたが、ソードら援軍の出現により、再開されつつあった。
やがて、勢力を削られたオークの包囲は、成った。
「―――とどめだ、一気に撃ちくだけ!」


この最後の攻勢は、オーク軍団を、一体のこらず死にいたらしめた。
ここに、第3軍の戦いは終わりをむかえる。
戦果は、大勝利と呼べたであろう。


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作品名:D.o.A. ep.17~33 作家名:har