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メリークルシメマス

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「いや〜、クリスマスイブを女の子と過ごせるなんて、感無量だよ
 な!!!」

 その若い男は、自分の近くいるもう一人の若い男に楽しそうな口
調で言った。その男の頭にはパーティハットがあり、近くのテーブ
ルの上には、クリスマスケーキやシャンパンなどがあった。
 しかし、近くにいる男は全然楽しそうではなかった……。どちら
かといえば、大変なことになってしまったという顔だ……。
「どうした? そこにいる女の子はタイプじゃないのか?」
「……いえ、先輩。そうじゃなくて……」
どうやら、楽しそうにしている男が先輩で、楽しそうにしていない
男が後輩のようだ。
「じゃあ、なんなんだよ?」
先輩の男はそう言うと、テーブルの上にあったシャンパンを手にし
た。

   パァン!!!

 シャンパンのフタが開かれる音が、そのパーティ会場である先輩
の男の小汚い家中に響く。

「きゃあ!!!」

 シャンパンの音がした瞬間、部屋にいた女の子の悲鳴が上がった。
その女の子は、逃げられないように縄で縛られていた……。

「……とりあえず、女の子をほどいてあげませんか?」
 後輩の男はそう申し出たが、
「何言ってるんだよ! 縄をほどいてやった瞬間、その女の子は逃
 げるぞ。今年こそは、女の子とクリスマスイブを過ごすというの
 が、オレたちの目標だったろ?」
先輩の男はそう言うと、シャンパンを3人分のグラスに注いだ。

 この2人は、『クリスマスイブを女の子といっしょに過ごすため
』という目標を達成するために、少し強引な方法を使い、女の子を
ここに連れてきたのだ……。(もちろん、後輩の男は止めようとし
たが、無駄だった) 確かに、この先輩と後輩の2人の男は、モテ
なさそうだった……。

「先輩、ちょっと外を見てください」
後輩の男はそう言うと、部屋のカーテンをそっと開けた。
 窓の向こうは、赤い光だらけだった。その赤い光は、先輩の男の
アパートの前に集結しているパトカーの回転灯だった……。誰かが
通報したようだった。雪も降っており、少しずつ積もり始めていた。
 しかし、先輩の男は、
「クリスマスだけあって、イルミネーションが綺麗だな!!! 赤
 い光で統一してあるのか!!! しかも、ホワイトクリスマスだ
 !!!」
そう楽しそうに言った……。
「…………」
後輩の男は、どう説明すればいいのかと頭を抱えこんだ……。

『人質を解放しなさい!!! 私たちはあなたたちを安全に保護し
 たい!!!』

 そのとき、窓の外から拡声器で声が聞こえてきた。
「なんか愛知県民みたいなことを喋っている奴がいるな。彼女無し
 でクリスマスを過ごしているせいで、気が狂ったのかな?」
先輩は不思議そうにそう言った……。

作品名:メリークルシメマス 作家名:やまさん