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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ことばの雨が降ってくる

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*書きたいことはなにか*



テーマです。いわゆる主題ですね。
といっても大上段に構えて、作品を堅苦しいものにしてはもったいないです。

作者のいいたいことがさりげなく、作品を通して語られていればいいと思います。

もう一つ、お題的な意味でのテーマもありますね。
これはそれに沿って書いていけば、それなりにテーマ(いいたいこと)も生まれてくるかと思います。

このテーマに関して、ワタクシには苦い経験があります。

公募ガイド誌上で、童話の講座が連載された時のことです。
毎月テーマ(いわゆるお題)が出され、それに沿った3枚の作品を募集していたのですが、ワタクシも仲間もこぞって応募していました。
一人は誌上で添削の指導を受けるのですが、ほかは優秀作品として名前が載るのです。

毎月、仲間の誰かの名前が載るので、それも楽しみでした。

『人形』がテーマだった時のことです。
“からくり仁兵衛さん”という作品を応募しました。すると、それは優秀作品に選ばれ、ワタクシの名前が誌上に載りました。
そして、講師の先生の手書きの講評が送られてきました。

ワタクシ、それをみて、穴があったら入りたいほど恥ずかしくなったものです。
作品全体は特に直されたところもなく、『よく書けている』と過分のお褒めをいただいたのですが、次の文面に『殿様の子供よりも自分の子供のためというはっきりしたテーマで……』とあって、びっくりしたのです。

なにしろ、このときのワタクシは、毎月応募しているのにちっとも選ばれないので、半ばやけくそでこの作品を書いたのでした。
しかも、テーマ(いいたいこと)なんかちっとも考えず、ただ最後の「それはそれで幸せだったのです」という八方破れの締めくくりの文が書きたかっただけなのです。

大御所の先生にそういわれて、ただただ恥ずかしく、もう平身低頭したい気分でした。
でも、自分では意識しなくても、読み手に自然に伝わるテーマもあるんだなと思いました。(都合のいい頭です)

その昔、『不思議の国のアリス』の大ヒットで、インタビューを受けたルイス・キャロル氏。
「この作品のテーマは?」と聞かれ、大汗を流しながら、
「アリスはとてもいい子でした」と答えたという逸話があるように、娯楽性の強い作品であれば、読み手を楽しませたいという気持ちが出せれば、それはそれでいいのではないかと思います。