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CROSS 第10話 『駆け引き』

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 ……時と場所は元に戻る。



 山口は、悪魔魂陸軍基地の指揮官室のベッドの上で寝ていた。彼の足には、包帯が巻かれている。すぐ近くの机では、ヘーゲルが事務作業をしていた。
 ただ、応接用のソファに、二刀流の少女が座っていた。少女は無言で座っていた。
 少しして山口は目を覚ました。ヘーゲルは山口が目を覚ましたことに気づくと、温かい紅茶を山口の元に持っていった。
「ああ、ありがとう」
山口はヘーゲルから紅茶を受け取った。
「オレは死んだのか?」
「え?」
山口の変な問いかけに、ヘーゲルは変な返事をしてしまった。
「あそこに、冥界の庭師がいる」
山口は、ソファに座る少女を指さした。少女のすぐ近くに、魂みたいな白い物体が飛んでいた。
 ヘーゲルが小声で、
「……「今回」は、幻想共和国評議会の特使だそうです。司令部の許可証を持っていたので通しました。山口に大事な話があるそうです」
「……ふーん。 今、何時だ?」
「異次元暦42733年の11月22日の夜8時です。夕食は保管棚に入ってますので、これで失礼します」
「……念のため、外に隊員たちを待たせておけ」
ソファの少女をチラ見してから言った。
「……わかりました。いつでも突入できるようにしておきます」
そして、ヘーゲルは指揮官室から出ていった。山口は、武器の置き場所を確認しながら紅茶を飲んでいた。

「決闘をしにきたわけではありません」

 ソファに座っていた少女が言った。ただ、山口がソファを見たときに少女の姿は無かった。少女は、ヘーゲルがいた机の近くに移動していた。足音一つしなかった。
「じゃあ、お迎えに来たってわけか?」
山口は落ちついた口調で言った。少女はクスッと吹き出してから、
「山口少佐。あなたが行くのは冥界じゃなくて、地獄だと思いますが?」
「…………」
「それより、私はあなたに大事な話をするために来たんですけど」
そこで少女は指揮官室の外へのドアを指さした。
「人払いをお願いできますか?」
山口は舌打ちすると、ドアに向かって、
「ヘーゲル!!! バレてるから、離れていいぞ!!!」
すると、ドアが開いた。そこには、ヘーゲルと佐世保を先頭にCROSS隊員全員が集結していた。みんな手に武器を構えていた。少女は、2本の刀を抜いた。
「しかし、山口少佐。この少女は、白玉楼の魂魄妖夢ですよ?」
「オレは大丈夫だから、離れていい。幻想共和国との戦争はごめんだ」
「冥界の仕事が増えちゃいますしね」
ヘーゲルと佐世保と隊員たちは、指揮官室から渋々離れていった。