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CROSS 第10話 『駆け引き』

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第5章 偵察



 山口が乗りこんたそのエアリアルは、偵察の指令を受けており、基地に戻るのは翌日の昼ということだった。それなら、このエアリアルに乗っていればいいと考えた彼は、誰にも知られずにこっそり乗りこむことにしたのだった。(エアリアルを呼び戻されたら困るからだ) エアリアルはロボットのため、山口の他には誰も乗っていないようだった。(この時点で山口からみて)
 山口は、窓からどんどん離れていく基地を見届けると、機内にある保管棚から、缶詰と水を持ってきた。
「空中遊覧での食事もいいもんだな」
山口は牛肉のサイコロステーキを口に運ぶと、水を飲みながら、また窓の外を見た。
 ……そこで山口は水を吹き出した。窓の外に妖夢がいたからだ。山口は目をこすった。やがて、妖夢は何か叫んでいた。機体は厚い特殊金属でできており、防音機能もあるため、妖夢の声は全く聞こえなかった。だが、ハッチを開けろ的なことを言っているのは、鈍感な山口にもわかる。
 彼はこのまま無視しようかと考えたが、妖夢が自慢の刀を使ったら大変だと思い、渋々ハッチを開けてやる。
 冷たい空気が機内に流れこんできた。少しして、妖夢がハッチから機内にやれやれといった表情で入ってきた。山口は黙ってハッチを閉めると、缶詰と水を持って奥に歩いていった。
「この乗り物はいつ基地に戻るんですか?」
「……明日」
山口は素っ気無くそう答えた。妖夢は、すぐに山口の企みがわかったようで、
「じゃあ、今すぐ基地に戻ってもらえますか? 公聴会は明日ですので」
「…………」
山口は黙りこんだ。

   ビー!!! ビー!!! ビー!!!

 妖夢がさらに何か言おうと口を開いたそのとき、機内に警告音が流れた。突然のブザー音に、妖夢は驚き、
「な…何の音ですか!?」
山口は窓の外を見た。2発の小型ミサイルが、エアリアルに向かって飛んできていた。
『ミサイルが接近しています!』
エアリアルのコンピューターが少し強めの口調でそう言う。
「何かにつかまれ!!!」
山口がそう叫んだ瞬間、エアリアルに小型ミサイルが2発とも命中して爆発した。その爆発の後、エアリアルは体勢を崩して、落下していった。
『墜落します! メイデー! メイデー!』
かなり強い口調でコンピューターがそう言う。
 山口と妖夢は必死に手すりや柱につかまっていた。

 やがて、爆発はしなかったものの、大きな音を立てて、エアリアルは沼のような場所に墜落した……。



   【 第10話 終わり 】