小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

陰陽戦記TAKERU 後編

INDEX|112ページ/115ページ|

次のページ前のページ
 

終章 再会

 
 それから2ヵ月の月日が流れた。
 俺は高校を卒業し、大学生になった。
 キャンバスのベンチに据わりながら美和さんの携帯を見た。
 金を払ってないので繋がらないが、それでも俺は今でも大事に持っている、
 本当は大学になんて来る気は無かった。
 折角偏差値の高い大学に受かったんだから、行かなきゃ全てが無駄になった。
 戦いの後、俺は何もする事が無く、ただその日をダラダラと過ごしているだけだった。他の連中はと言うと……
 香穂ちゃんは有名な私立中学に入学する為に本格的に受験勉強を始めたらしい、
 何でもその学校は有名な薙刀の部活があるらしい、香穂ちゃんなら即レギュラーになれるだろう、
 拓朗は俺達が通っていた高校に入学した。
 そして小春ちゃんと正式に付き合う事になったらしい、だけど俺に気を使ってくれてか、あんまりその話題は振ってこなかった。別に気にするなって言ってんのに……
 桐生さんはあれから会って無いがそれでも心配なのか時々連絡してくれている、
 この間も群馬の大学を卒業して警官になる為に勉強していると言う、確かにあの人向きだし、いい警察になるだろう、
 学と加奈葉はこの大学に通っている、
 学は何としてでも俺と美和さんを再会させたくて時間移動を可能にさせたくて親父さんの所で粒子物理学を研究し始めた。
 加奈葉はしばらく俺と顔を合わせる事に躊躇っていたが、今では普通に顔を会わせて挨拶するくらいになった。

「はぁ……」
 俺は空をボーッと見ているだけだった。
 この世界は相変わらずだった。
 やれ政治家の汚職だとか、やれ不景気だとか、やれ宇宙コロニー建設計画だとか…… つまらないニュースばかりだった。
 そして俺は自分の左手を見た。
 次元の渦の中でつかんでいた美和さんの手、いくら想定外の事が起きたとは言え俺は美和さんの手を離してしまった。
「何で離しちまったんだろ……」
 後悔はしてないがそう思った。
 何が何でも彼女の手を離さなければこんな事にはならなかった。
 もし一緒に別の世界に飛ばされたとしてもそれはそれで良かった。
 加奈葉達は悲しむだろうけど…… 美和さんと一緒なら原始時代だろうが恐竜時代だろうがどこでも良かった。今言っても仕方無いのは分かってるけど……
 俺の周りには結構カップルが多い、この中で何組が学生結婚するんだろうと考えた。
 以前学に『いい加減に加奈葉とくっ付いちまえ』と言った事があったが、学は時間移動が完成するまでは結婚できないと言って来た。
 何でも『彼女の後始末くらい彼氏の自分が着ける、自分達の幸せは武と美和さんの後で良い』と言って来た。
 下手すると爺さん婆さんになっちまうってのに……
「さて、これからどうすっかな……」
 少なくとも放課後まで何もやる事は無い、俺は携帯を仕舞うとベンチから立ち上がった。するとその時だった。
『藤岡武、至急応接室まで来るように』
 校内放送で俺の名前が呼ばれた。俺何かしたかな?