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七不思議解明部

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「僕の自己紹介がまだだったよね」
そう一言言うと改まったかのように咳払いを1つする。
この暗い中で自己紹介されても盛り上がれないけど。
この部活に入部扱いとなってしまった以上、この人のことは知っておかなければ。
「僕の名前は根倉太郎っていうんだ。学年は3年生」
ちょっと待ておい。名前適当すぎるだろ。
根倉=根暗ってことだろうからイメージには合うけど、
今時太郎って・・・どれくらい前の名前だ・・・。
「じゃ君も自己紹介して。あ、後後ろの女の子も入部ね」
・・・この人ずいぶんと砕けてないか??
最初とはずいぶんと雰囲気が変わった気がするが。
いや、本当はこういう性格だったけど1人だったから静かにしてたとか。
で、今は俺と知里がいるから本性をさらけ出しちゃってると・・・。
そういうことで俺は解釈しておこう。
何はともあれ今は自己紹介をしないといけないからな。
「村山悠樹、2年生」
「か・・かかか、川島・・・知里です・・・2年生やってます・・・」
俺の後に知里が続けて自己紹介をする。
怖がっているんだろうか・・・すごく震えながらの自己紹介。
少々大げさな気もするが・・・まぁ細かいことは気にしたらダメか。
「悠樹くんに知里ちゃんか。いい名前だね」
どこにでもいるような名前だと思うけどな・・・。
でも褒められて悪い気はしない。
すると先輩がまた1つ咳払いをすると今度は部活のないようについて話し始めた。
「さて・・・この部活は何をする部活かは分かってるよね??」
俺と知里は小さく頷く。
そりゃ今あれだけ七不思議伝説が話題になっているし、
それを解決すべく部活があるという話だって嫌でも耳にする。
そしてこの部活動の名称は「七不思議解明部」。
相当なバカじゃない限りどういう部活かってのは想像つく。
その部活内容が分かってるだけあって俺はあまりノリ気じゃない。
別に七不思議を信じてるわけじゃないけど本当に危険な目に合うかもしれない。
ましてや女の知里だっている。さすがに知里までは守りきれない。
その時どうすればいいか多分俺はわからないと思う。
知里だって今じゃ勝手に入部扱いされた被害者だ。
根倉先輩に反論したい気持ちはある・・・けど。
何か反論できないオーラを俺は感じるのだ。
それは何かと聞かれると何も言えないんだけど。
俺の直感がそう言ってる・・・ように思えるだけの話。
「それじゃあまず・・・最初に解明してもらいたい七不思議がある」
早速七不思議の1つ目の話題が先輩の口から出る。
「そうそう、解明したからって終わりってわけじゃないからね」
「・・・それってどういう意味ですか??」
「1つ1つの七不思議を解明、つまりどういう七不思議なのかを知る」
まぁ解明っていうのはそういうものだ。
謎に包まれている事を表舞台に出す。
それでようやく謎が解けてそれがどういうものなのかが分かるからだ。
「解明した後、その七不思議を解決するんだ。それでその七不思議は消える」
・・・解明して更に解決をする??
俺たち素人に何を求めてるんだこの人は。
解決方法なんて分かったもんでもない。
「七不思議の解決の情報は僕が全部知ってるからさ」
それを知ったところでどうしろっていうんだよ・・・。
それに・・・根倉先輩はどうして七不思議を解決したいって言うんだ??
本当にあったとしても別に放っておけばいいだけの話じゃないか。
事実、この手のことで被害者が出たという話は聞いたこともない。
あくまで生徒たちが噂として盛り上がっているだけ。
被害がないならそのままそっとさせておくべきじゃないのか。
何かあったらその時何か対策をとればいいだろう・・・。
「それじゃ本題に戻ろう。まずはね、女の子を捜して欲しいんだ」
「・・・俺の後ろにいますよ??女の子」
「知里ちゃんじゃなくって・・・」
いや、まぁ冗談だから別にいいけどさ。
「校庭に現れる女の子・・・としか分からないんだ」
校庭に・・・現れる女の子・・・。
俺はその話を聞いた途端、真っ先に思い浮かんだ少女がいた。
授業の時間・・・俺と目が合った女の子。
俺がそっぽを向き、視線を戻したらそこに女の子はいなかった。
まさか・・・まさかな。そんなことあるわけないもんな。
「それじゃよろしく頼んだよ」
俺と知里は先輩を部室に残し、目的の校庭へと足を進めた。
七不思議解明部の部活動が・・・今始まったんだ・・・。
作品名:七不思議解明部 作家名:寺島涼牙