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CROSS 第6話 『死守』

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 しばらくして特務艦の大型転送室には、100人以上の隊員たちが各自武装して集まった。この大型転送室は、このあいだの異次元ステーションに乗りこんだときも使用した。転送装置の制御装置にはIがいた。
 そこに山口がヘーゲル大尉ら将校を連れて転送室に現れ、隊員たちは敬礼した。彼は隊員たちに、
「今から、我々帝国連邦の重要なエネルギー供給拠点である場所を死守する任務についてもらう。現地の全滅寸前の守備隊と協力してもらうわけだが、指揮権は私にあるので安心してほしい」
山口は転送装置に乗り、佐世保中尉やウィル少尉やガリア少尉や椿少尉もそれぞれ転送装置に乗った。ヘーゲル大尉は、転送装置の制御装置の近くにおり、隊員たちの様子を見ていた。山口は隊員たちの顔を見渡して、
「おまえらが今から相手するのは、あの『カーム上陸作戦』のときと同じ神羅軍だ。ここには、あの地獄のような戦場を経験した奴もたくさんいるだろう!」
そこで苦い表情を浮かべる隊員たちが出てきた。
「敵の一般兵の装備は我々よりも古いままだが、おそらく、大人数で押し寄せてくるだろう。そして、これは言いづらいことなんだが、モビルスーツも敵としてやってくるかもしれない」
隊員たちは焦りに満ちた表情をしだした。しかし、山口は彼らを安心させる口調で話を続けた。
「おまえらなら大丈夫だ。我軍のモビルスーツ推進派の連中にも、モビルスーツに頼らないCROSSの強さを思い知らせてやろうじゃないか!!!」
強気に言った山口のその言葉に隊員たちは元気を取り戻し、
「了解しました!!!」
ブリッジまで届きそうな大声で答えた。

「ヘーゲル、上からの支援と司令部との交信は頼んだぞ」
「わかりました。砲撃支援の準備を整えます」
「それじゃあ、そろそろ行こう。 I、転送開始!」
Iは目の前の制御装置を操作した。
 すぐに転送装置に乗っていた山口たちは、光に包まれたかと思うと、その場から消えた。

 ヘーゲルは胸についているCROSSのバッジに指で触れ、
「ブリッジ、砲撃支援の準備をしろ。 医療部、緊急搬送に備えて医療部員とストレッチャーロボットを大型転送室に配置してくれ」
この特務艦のブリッジや医療部と通信した。
「医療部、了解した」
「ブリッジですが、司令部から通信が入っています」
「では、今からそちらに向かう」
そう告げるとヘーゲルは、胸のバッジから指を離して通信を終え、ブリッジへと向かった。