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製作に関する報告書

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?で、あるからこそ自社ゲーム部門。ゲーム部門からゲーム化の権利金を講談社等権利保持者に支払う。権利保持者は志倉から支払われた金銭の一部を楽曲提供用の資金として返却。
?志倉、自分が支払った資金でテレビアニメ等の楽曲を製作。CD製作。販売。売れず。

まるで砂漠で水を売る愚かな2人組みのような話。それだったら権利を持っている人も志倉氏に発注をかけるでしょう。先に金を払うのは志倉氏なわけですから。金はくれるはテキトーにゲームは作ってくれるはで楽なものです(ただ、私はこういう楽を求めて5pb.に仕事を丸投げするような会社や権利者は危ういと思います。長い目で見れば悪い相手と付き合っていたということで悪名になりますし、なによりも作品を大事にしない作り手は作品の神様のご加護を失ってしまうのです)。

しかも程度の悪いことにその際に使われるのは志倉氏個人の金ではない。すべて親会社からの貸付金。もっといえばそれは株主さんのお金でしょう。人の金を還流させて自分の名声を高めようとする。ただの虚栄。実はない。

とにもかくにも5pb.は『出荷停止』であるとか『ソースコードの盗用』『謝罪文の掲載』『度重なる作品の発売日変更』と、まともな法人ではありえないような数々の珍事を撒き散らしさまざまな話題を提供してくれた。それもただで。志倉氏は経営者としての力はあまり感心しないもので、作曲家としてもそれほどのことはなかったようですが、『面白い人』としては稀有な能力を持っていたということなのでしょう。文字通りのスター。人間花火ですよね。自らの命を打ち上げて大爆発。まさに最高のエンターテイナーでしょう。その部分は私も疑っていませんし、ですから彼をウォッチして私はとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。リアルタイムで彼らの人生を眺めることが出来た私は自分自身をとても幸せな人間だと思うのです。


 おしまいに。
   
そして、実際のところ、それでは誰が悪いのか、諸悪の根源は何なのかということについてはもう明らかなのです。いろいろとメモオフスタッフとのトラブルについて思いを巡らせますが実は一番の元凶は市川氏でも柴田氏でもないし、志倉氏でもない。
 
『問題なのは吉田』
 
TYOの社長吉田だったと思うのです。TYOという親会社の業績がきわめて悪かった。TYOという会社が利益を出せない体質にある。吉田社長が能力に欠ける。社長としての適正がない。そのことが元凶。オーナー社長と会社は=ですから、結局は吉田氏の心根、資質適性の問題。
 
結局虚業なのです。TYOという組織そのものが。会計の諸表を見ても滅茶苦茶ですしね。どうして本業で利益が出せているのか、それがよくわからない(それは私が愚かだから、財務指標を読み込めてないということかもしれません)。円谷プロを買収したりしていろいろと派手にやっていて、ですから、一見、この会社には将来性があるようにも見えるのですが、多分そうではない。結局そういうことはすべて、
 
『TYOという会社の株価を上げるための小細工』
 
だったのでしょう。すべてが株価。会社の業績よりもとにかく何でも良いから時価総額。
 
『株価で会社を回していく』
 
というライブドア型の企業。株価を上げて金を借りて企業を買収、さらに株価を上げるという、そういうサイクルでなんとかやっていこうとする企業。
 
ちなみにTYOという会社はもともとはCM製作の会社なのだそうです。で、2002年ですか、上場をしている。そして上場直後に会社株価は80円台に急降下。
 
CM製作と聞こえは良いですけれど結局電通博報堂の下請け。アニメの製作会社と同じで利益なんか出ない。それでライブドアを真似て投資会社っぽく装いを変えたけれど、しょせん素人。八百屋の親父が思いつきで株に手を出すようなものでしょう。うまく業務が回らなかったのではないですか。投資家はそれが判っている(判っていない人もいたようですが。円谷のファンの人たちでTYO株を買った人もいたようですが、彼らはウルトラマンへの愛情をTYOに利用されたのだと思います。人の情愛を自分の虚栄心を満たすために利用する。TYOの人間は本当に邪悪な人々だと思います)。ですから現在の100円を切るTYOの株価は適正価格なのだと思います(志倉氏の5pb.株は1円でした。TYOは志倉氏がその程度の資産しか持っていない、5pb.という会社は150円でも高いと判断していたのでしょう。時々ですが掲示板に『志倉は音楽版権で潤っている』というようなことが書かれていましたが、それだけの資産があればMBOに当たってTYOは志倉氏にもっと吹っかけたはずです。同じように切り飛ばされたスティングは離脱に当たって何千万円かのお金を払っていったわけですから。意図的に安値で会社を売却したりすればTYOは株主、あるいは銀行からお叱りを受けるはず。それがなかったということは志倉氏には資産などなかったということです)。
   
で、普通であればここまで株価が下がれば会社は倒産するはずなのですが、そこでITバブルが起こった。株価は突然反転上昇。TYOも株価上昇の恩恵に浴する形で拡大を始めます。
 
『本業先行きに対する不安から多角化』
 
をしたわけです。自社株を担保に金を借りて潰れそうな同業者、潰れたところの人材を集めてくる。M&A、ですか。
 
吉田氏は提灯記事を集めたTYOの宣伝本のなかでこういうことを言っています。
 
『二流の人材でも原価計算を教えれば利益を出せるようになる』
 
そうやっていろいろなところから潰れた会社の人間を拾ってくる。子会社を次から次へと増やしていく。でもどの子会社も利益など出ない。ハルフィルムでも円谷でも利益を出せないからこそ潰れかけていたのであって、利益が出る体質であれば普通、会社は売りに出ない。何をやってもダメだから潰れる。プロパー社員が大抵のことはすでにやり尽くた上で、それでもダメだから売りに出る。放漫財政とかは関係ない。利益が出ている会社は放漫財政でも回っていく。利益が出ないから放漫財政になる。逆なんですよね。合併したスケールメリットとかを勘案する人もいるようですが百倍千倍ならばともかく五割増ぐらいではスケールメリットって無いですから。
 
『二流でも利益が出せる』
 
というのも正しいようで実は間違っている。と、いうか、意図的に作り手というものを低く貶めた見方、なのです。私は思いますけれど、原価計算とか賢しらなことを教え込むという段階で吉田という男は作り手というものを理解していない。黒澤明とかを見ていても、
 
『原価計算』

をしているとは思えませんから。つまり、そういう次元を超越した存在が本当の意味での作り手。オールオアナッシング、が本質。そういう相手に対して、
 
『俺が善導してやる』
 
というような居丈高な態度を取るのは、吉田氏にクリエイター(私はクリエイターという言葉は嫌いですから、普段は作り手としますが、判りやすくこの手記ではクリエイターという言葉を使っています)に抜きがたい劣等感があるからでしょう。
  
『三年で黒字にならなければ即退場』
 
作品名:製作に関する報告書 作家名:黄支亮