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律姫 -ritsuki-
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君ト描ク青空ナ未来 --完結--

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第二部 I'll find you.




チュンチュン、という鳥の声と朝の強い光に目が覚めた。
目が覚めた瞬間に、まだ見慣れぬ風景に戸惑う。
あの薄暗い倉庫の中でも、夢のような伊豆の別荘でもない。
そこまで考えてやっとわかる。
ここは、河口湖にあるペンション。
ここに来て、そろそろ2週間になる。

時計を見るともうすぐ起きる時間。
鳴る前の目覚まし時計を止めて、カーテンを開けると、東向きの窓から眩しいほどの朝陽が部屋の中へ差し込んだ。
窓を空けると、すがすがしい空気が流れ込む。
ペンションの朝は早く、早朝の空気は7月とはいえまだ冷たい。

この部屋があるのは、ペンション離れの2階。部屋とトイレと洗面所があって生活するには十分。お風呂は1階にあるのを借りている。
母屋はお客様の生活の場、離れは働く人の生活の場で、全体的に西洋風で雰囲気が統一されてる。
2階で顔を洗って着替えると、千晴さんと朱音さんの住んでいる1階へと降りた。

「おはよう、空流くん」
「おはよう、今日は早いな」
朝ごはんの準備をしてくれている朱音さんとそれを手伝う千晴さんが挨拶をしてくれる。
「おはようございます。僕も手伝いますね」
最初の契約のときに、働き始めの時間を決めて、朝食の準備はしなくても良いことになっているけど、ただ座っている訳には行かない。
「大丈夫よ、もう出来たから」
朱音さんがそういって、お皿をテーブルに置くと、エプロンをとった。
「さ、いただきましょう」
サラダとトーストと目玉焼きに、甘くしたカフェオレ。
朱音さんの作る料理は何でも家庭の味がする。
だからかもしれないけど、もし、両親がいたらこんな感じなのかな、なんて時々考える。

朝食を食べ終わると、片付けをする間に郵便物を取りに行く。
それを朱音さんがチェックする間に、毎朝食材が届けられるものを母屋の厨房へ運ぶ。

ここで働くにも大分慣れてきたと思う。
最初は、ペンションの構造を把握するところからが大変だった。

敷地の中に、まず一番大きな母屋があって、ここの1階がリビングルームと食堂。
リビングっていうのはお客様が自由に出入りできるホテルのロビーみたいなところ。
そして母屋には2階と3階に二部屋つづの客室。
客室の中は西洋アンティークでまとめられていて高級感がある、というか事実、高級な部屋。
調度品だけでもすごい値段がするらしい。

運び終わったら、その後は朱音さんを手伝ってお客様の朝食の準備。
出し終わった後は、一人で片づけをする。
終わり次第、朱音さんがやっているルームサービスのお手伝いへ。

これが終わると、ひと段落。

僕の仕事はほとんど朱音さんの手伝いだった。
千晴さんは出かけていることも多くて、昼ごはんは朱音さんと二人で食べる事が多い。

午後は敷地内の掃除や母屋の掃除に時間をとられて、それから夕飯の支度の手伝い。
これを片付け終わって、やっと一日の仕事が終わる。

一日中、すごく忙しいけれど、それで良かった。
余計なことを考える暇なんてない方が良かったから。