I hate a HERO!!
Project H.
もっぱらヒーロー側ではProject Hero.ヒール側ではProject Heel.の意味で使われる。
因みに技術部などが集うサポート職等を担うBane Narcの社員達などはProject H&Hで通っているらしい。
国民意識統一プログラムの実現においては無くてはならないPHに携わる人間達は誰が言い出したかは知らないが皆、"仲間"や"同僚"や"協力者"といった呼び方よりも"共犯者"と言った呼び方を好んでいる為、いまではPH業に関わる者の間ではそれが浸透していた。
「アクハトって、確か"深闇"についていってるヒールの内の一人じゃないか」
深闇。
宝田家の長男である今をときめくカリスマヒール。
その設定と、実際憧れているヒール社員に慕われる深闇には、ヒール活動中は数人の駆けだしヒールを部下のように伴ってることが多い。
アクハトと言えば、確か改造されたクロスボウを武器にしたヒールで、人気はそこそこ上の方だったはずだ。
「まあ、召愛お兄ちゃんの影に隠れてるけど"ヘタレっぽい""受けっぽい"と大きいお友達なお姉さま達には人気だよ」
「へぇ………そうなんだ」
何故だろう。とてもアクハト、もとい滝沢さんを応援したくなってきた。
「しかし、なんでまたそんな人が俺の事を知りたがってるんだよ」
「さあ?アクハトって言ったらまだ駆け出しだし、自分がライバル役候補になっているヒーローが気になったんじゃない?ヒールって案外相手ヒーローによって人気の上下が変わるし、あと新生ヒーローは"あの"宝田家の秘蔵っ子ってことでPH内じゃ有名だし尊敬する先輩ヒールの弟となっちゃあ一回挨拶しとかねばとか、そんな理由じゃないの?」
「へぇーって…ちょっと待て。ライバル役候補ってどういうことだ」
「どういう事もこういうことも、そのまんまの意味だよぅ。ヒーローには比較的よく関わることになるライバルヒールが決められる決まりじゃん」
「それは知ってる。俺が言いたいのはなんでそこで俺が出てくるのかってことだ」
正確には何でもうそんなところまで話が進んでいるのかということだ。
確かにヒーローにはライバルヒールがつくものである。
しかし、記憶が正しいのならそれは、一定の人気を出したヒーローにつけられるもののはずだ。
「脚本部門と宣伝部門がみんな「英雄君なら大丈夫!ついでにあの子の退路たっておこう!」って話進めてるんだって」
なにそれ、怖い。
「っていうか何で脚本部門とか宣伝部門に俺の存在大々的に知られてるんだよ!?」
「そりゃ新生ヒーローだし?あと母さんたちの根回し」
「やっぱなー!!」
だと思った。絶対に。
作品名:I hate a HERO!! 作家名:727