I hate a HERO!!
わいわいがやがやきゃいきゃい。
もし漫画だったらそんな効果音だろうな。
なんて、現実逃避しながら新生ヒーローの話で盛り上がるクラスメートの話声をバックにうなだれた。
「ほら、まあ、人の噂も何日かだよ。気にするな」
「この展開は想定してなかった……」
「そうか、俺はてっきりコレも想定したっていうの込みでさっきの決意何だと思ってたよ」
「考えが足りなかった」
そう。まさにその一言に尽きる。
ヒーローができた当初の懐疑的な目と嘲笑の目で見ていた国民であるならまだしも、いまはヒーローヒールの頑張りあって彼らの寸劇を信じ切って本気に真面目に応援するような時代なのだ。
ヒーロー=正義の味方。
という方程式を素で弾きだす彼ら彼女らにしれみれば、新たに生まれたヒーローは好意を持って歓迎すべき存在なのだ。
秘密裏に動いていたならばまだしも、あれだけ派手な立ち回りをしたのだ。放っておくはずがなかった。
つまり、俺はこのままみんなの新生ヒーローへの好奇心や興味が廃れていくまで、この環境に身を置かなければいけないという……。
「なんて、生き地獄」
「生きてるか英雄?」
「危ないかもしれない……」
なんて、嘘でも冗談でもなく、ストレスで胃に穴があいてしまいそうだ。
1日目でこれなのだから一体今後、俺は一体どう生活すればいいものか。
それを真剣に考えなければいけないらしい。
まあ、ヒーローになってもどうせ同じような…それ以上の苦労やストレスに見舞われるのだ。
ならば、一時期の間だけ我慢すればいいこちらのほうがマシだと自分に言い聞かせて、この日は乗り切った。
「あー、しんどかったー」
放課後の下校のチャイムが鳴った後、ぞろぞろと校門から外に出る人ごみに続きながら両手をあげて背を伸ばす。
今日一日だけでストレスで痩せれた気がするのは気のせいとも言い難い。
「おつかれ」
恵登はそう言って「ひひひ」と笑った。
ちょうど、その時だった。
「オイ!」
作品名:I hate a HERO!! 作家名:727