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I hate a HERO!!

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英雄に(心身共に)ボコボコにされた騒動を起こしたヒール達は“ヒール側”の本部のほうで処罰が下された。
マスコミは新生ヒーローの情報を得るべく忙しそうに情報を集め始め。
そして、後日。
我を忘れて廃ビルに入って散々一応“ヒール”をぼっこぼっこにしたことにより、見事世間に“ヒーロー”と認識されたことに絶望する英雄と慰める恵登の姿があったとか…。


そんな騒動のあった日の夜。

“ヒール側”の根本的支援・サポートする“ヒールカンパニー”の別称を持つ企業。


“ Ash Ed”(アッシュ・エド)”


その社長室に、表向きは切磋琢磨のライバル企業。


“Clear She”(クリア・シー)


裏向きには“ヒーロー側”の根本的支援・サポートの別称“ヒーローカンパニー”の社長にして元サイレントヒーロー・静真…宝田家父、宝田将文と妻であり母でありカンパニーの副社長を務める宝田久美子の姿があった。
「問題を起こした輩には処罰を言い渡しておきました」
「あら残念。家の子に手を出そうとしたこと末代に恐怖がしみこむまで後悔させてやろうと思ったのに…」
「久美子さん。落ち着いて、多分もう無意識に英雄くんがしみこませたと思うから」
ほわほわした笑顔で久美子の言った言葉に将文が言った。
「(そういう意味じゃない…)」
ヒールカンパニー社長にしてサイレントヒーローのライバルだったヒールであったモロク…千図誠は思った。恐らく隣にいる現役時代のパートナーだったエキドナ…伽両院麗子も同じだと思う。
「でも、よかったわぁ。鞠愛を『派遣したヒールに襲わせて英雄を強制的にヒーローにする作戦』を使わずに済んで」
悪びれも無くすごいことをシレっと言ってほほ笑んだ。
「ちょうどいい悪役がいてくれて助かったわぁ。これで無事、あの子をヒーローにできたもの」
「……今回は事故だったとはいえ、今回の事に似たものが実の母親に用意されていたとか、実は今回率先して裏で広報活動してたとか知ったらあの子、また怒るでしょうね。陰謀じみてますよ」
ずっと昔に会ったことのある愛らしい笑みの頃の少年と、ヒーローは嫌いだと喚いて宣言してたつい最近の少年を思い出して誠が言った。
「あら。“誰か”がばらさなければいいでしょう」
 その笑顔には昔から逆らってはいけないと本能が言っている。


「何事も表もあれば裏があるのよ」

「ヒーローとヒールみたいにね」


 久美子に続いて将文が言う。


「綺麗ごともあれば陰謀だってある」


三人の子供を持っているなんて信じられないような若々しい笑顔で久美子は言った。






「その陰謀からヒーローが生まれることだってあるのよ」




こうしてこの日、ほんの少しの偶然と、本人の実力と、裏での陰謀か、一人のヒーローが生まれた。



I hate HERO!!
ヒーローは陰謀から生まれるという話…end


作品名:I hate a HERO!! 作家名:727